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アイヌの人も琉球の人も食べていた?クワの実とタラの芽

森と木が大好きな北海道の佐野です。
7月に入り、北海道の森も賑やかになってきました。

桑の実を食べて大喜び

この季節、北海道では、桑の実がたわわに実っています。桑の実は、紫色に熟した実が美味しいんですよね。
知り合いの農家の裏山で、たくさんなっていたので、子どもたちも、夢中になって、桑の実を採っていました。あんまり、食べすぎると、唇や舌が、紫色に染まっちゃいますよね。

ちょっと、つまみ食い


ちょうど食べ頃の桑の実


桑の実は全国共通の山の幸

さて、実は、ヤマグワは、日本に約1000種あるといわれる木本植物の中で、47都道府県全てに自生する数少ない樹木なんです。

雪国の北海道の子どもたちと常夏の沖縄の子どもたちが、森の中で同じようにヤマグワの実をほおばっている光景を思い浮かべると素敵ですよね。きっと、アイヌの子どもたちも琉球の子どもたちも、喜んで食べていたでしようね。

全国共通の山の幸


タラの芽も全国共通の山の幸

全国共通の山の幸は、桑の実の他にもありました。タラの芽です。タラノキも、北海道から沖縄まで、47都道府県全てに分布しています。北海道ではビールのつまみで、沖縄では泡盛のつまみで食べるのでしょうか?
こちらも、昔から、アイヌと琉球の大人たちが、赤い顔になって、タラの芽を食べていたのかもと想像すると、面白いですね。

飲んべえにとっての全国共通の山の幸


全国制覇を手助けしたのは人間か?

さて、ヤマグワやタラノキが47都道府県に自生しているという話は、以前、「樹木界のローソンは何?」でも紹介していますので、詳しくはそちらもご参照ください。

全国制覇してそうな樹木として、アカマツ、ブナ、クリ、シラカシ等が、まず、思いつくのですが、どれもこれも、北海道か沖縄のどちらかに(あるいは両方)、自生しておらず、結局、高木の中で、47都道府県全てに自生している種を見つけ出すことはできませんでした。

全国制覇しているヤマグワとタラノキに共通するのは、低木であること。なるほど、厳しい季節も高木の下で身を隠しながら、したたかに分布範囲を拡大させたのだろう、まさに、コンパクトであることを利点として全国制覇したローソンのようだと分析しました。

しかし、どどめ色に染まった子どもたちの唇を見て、ヤマグワとタラノキが全国制覇を助けたのは、他ならぬ、食いしん坊の人類だったのかもしれないと、考え直すようになりました。

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