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樹木界のローソンは何?

北海道の佐野です。
いきなりですが、今回は、コンビニエンスストアの話からはじめます。

一番最初に全国制覇したコンビニは?

もう、すっかり、日本人の生活の中に溶け込んでしまっているコンビニエンスストア。今や、どんな小さな村にもありますよね。数あるコンビニの中で、47都道府県制覇を真っ先に成し遂げたのはどこでしょうか?

答えはローソンです。1997年に沖縄県に店舗を構え、全国制覇を成し遂げました。その後、ファミリーマートとセブンイレブンも追随し、この3つが47都道府県全てに店舗を構えています。

全国制覇している樹木は存在するか?

それでは、約1000種あるといわれる日本産樹木の中で、47都道府県全てに自生している樹種、いわば、樹木界のローソンは何でしょうか?

日本は南北に長く、私が住んでいる亜寒帯の北海道から亜熱帯の沖縄までありますからね。様々な気候帯からなる47都道府県全てに自生するのは、なかなか難しそうですよね。

落葉広葉樹で探すと?

落葉広葉樹だと、ブナ、クリ、コナラは、全国各地に生えてそうですが、ブナは沖縄県と千葉県、クリとコナラは沖縄県に自生していません。南国沖縄県には落葉樹のイメージが無いですよね。
でも、良く良く調べるとクヌギは沖縄県に自生していました。と、喜ぶのもつかの間、北海道と青森県に自生していませんでした。

常緑広葉樹はどうだ?

常緑広葉樹だと、シラカシ、アラカシ、アカガシあたりが思いつきますが、これらは、北海道には自生していません。寒い北海道の気候は、常緑広葉樹には厳しいようですね。

針葉樹なら見つかるかも

それでは、針葉樹で探してみましょう。
スギやアカマツ、クロマツは、全国どこでも生えているように感じますが、その大半は人の手で植えられたものです。実は、これらの樹種は、北海道にも沖縄にも自生していません。
北海道に自生している針葉樹としてゴヨウマツがあるのですが、残念ながら、沖縄に自生していません。

遂に発見!全国制覇の樹木!

やはり、雪国北海道と常夏の沖縄県、両方に生活するというのは至難の技のようですね。人が住む家の造りも全く違いますからね。それでは、日本産樹木の中に全国制覇している樹種はないのでしょうか?
実はあったんです。それは、ヤマグワとタラノキです。低木ではありますが、北海道から沖縄までの全ての都道府県に自生しています。

したたかな低木

大きな木ばかりに目を奪われていましたが、小さな木が意外と適応力があるようですね。確かに、森の中は、最高気温を下げ、最低気温を上げる効果がありますから、ヤマグワやタラノキは大きな木に守られながら、したたかに全国制覇したということですね。

コンビニも店舗が小さく小回りが良いことを利点として全国津々浦々に進出していますよね。まさに、ヤマグワとタラノキは、樹木界のローソンですね。


大きな木も雪国では小さくなって

そして、変種を含めると、全国制覇している樹木は、もう少しあります。
アオキとユズリハです。それぞれ、北海道などの北国では、雪国に適応する姿に変異して、ヒメアオキとエゾユズリハとなっています。これは、冬の寒さから身を守るために、体を矮小化させ、冬の間は雪の下に隠れる戦略をとることにより、全国制覇を果たしました。

北海道民と沖縄県民では、生まれ育った風土の違いによる道民性、県民性に違いがあるように、同じ木でも、北海道に生えているヤマグワやタラノキと沖縄県に生えているヤマグワやタラノキでは、性格が異なっているかもしれませんね。

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