本の背骨が最後に残る 読書日記

本の背骨が最後に残る 斜線堂有紀 (著)

あらすじ

本を焼くのが最上の娯楽であるように、人を焼くことも至上の愉悦であった。
その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる。一冊につき、一つの物語。ところが稀に同じ本に異同が生じる。そこで開かれるのが市井の人々の娯楽、「版重ね」だった。どちらかの「誤植」を見つけるために各々の正当性をぶつけ合う本と本。互いに目を血走らせるほど必死なのはなぜか。誤植と断じられた者は「焚書」、すなわち業火に焼べられ骨しか残らないからである。(表題作)他「痛妃婚姻譚」「金魚姫の物語」「本は背骨が最初に形成る」など7編収録。(光文社)

感想

タイトル100点、内容70点、合計170点みたいな本。全体的に少しグロとか猟奇的な感じが強く、小林泰三さんとか好きなら楽しめそうだと思った。個人的には「死して屍知るもの無し」が好きだった。死んだら動物に転生するという世界で起こる事件を描いた作品であり、全体的に静かに不気味な雰囲気を出していてちょっと怖いのが良い。
あと、始まり方がいいよね。

本を焼くのが最上の娯楽であるように、人を焼くことも至上の愉悦であった。

本の背骨が最後に残る

実際、BBQをするときに硬かった炭が赤くなって脆くなっていく過程を見ることはかなり楽しい。これが本だとしたらもっとたのしかったりするのだろうか。孤独のグルメを燃料にして焼いたお肉とかおいしそう。

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