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#9 「分解」は魔法の呪文?!

2-4-4. GCS分析 

顧客分析の方法の一つとして、GCS分析があります。
顧客がどのように変化しているかを、ジャンル(Genre) → カテゴリー(Category) → セグメント(Segment)と調べる範囲を絞っていきながら分析する方法です。
これも、「分解していく」事で課題を発見する考え方で、「なぜなぜ分析」と同様に物事を深掘りしていくアプローチです。

例として、ビール系飲料のGCS分析です。
このグラフを見ると、ビール系飲料トータル(ジャンル)の消費量は減少傾向なんですねぇ・・・

ビール系飲料の販売量

次にカテゴリーで見ると、発泡酒とビールは同じく減少傾向ですが、第3のビールは増えたり減ったりを繰り返しながら微増傾向です。さらにそれぞれのカテゴリーをセグメント(クラフトビール系、糖質ゼロ系、低アルコール系など)に分けて、顧客の消費動向を分析して、課題や機会・脅威を見つけ出していきます。

尚、PEST分析のPoliticsの視点では、酒税法が改正されて26年10月には、ビールと発泡酒と第3のビールの酒税が同じになります。そうなると、カテゴリーの構成比は変わりそうですが、ビール系飲料全体の減少傾向は変わらないと見込まれます。
そこで考えられる戦略は、「ビール系飲料以外の事業を育てる」か、あるいは成熟市場でよく見られる「同業社の再編により残存者利益を取っていく」でしょう。


ビールの消費が減少している理由をAIに聞いてみた

ところで、ビール系飲料の消費は、そもそもなぜ減少傾向なのでしょうか?
ビール大好きな僕にとって、他人事ではありませんので、対応戦略を考えてみたいと思います。ビール会社はその原因も分析済みでしょうが、ここでは流行りのAI(Copilot)に聞いてみました。

(AIの回答)
ビール、発泡酒、第3のビールを含めた全体的な消費量が減少している理由はいくつかあります。

  1. 健康志向の高まり: 健康を意識する人が増え、アルコールの摂取を控える傾向が強まっています。

  2. 若者のアルコール離れ: 特に若い世代でアルコールを飲まない人が増えており、全体的な消費量が減少しています。

  3. 価格の変動: 酒税改正により、ビールの価格が下がる一方で、第3のビールの価格が上がるなど、価格の変動が消費に影響を与えています。

  4. ライフスタイルの変化: 新型コロナウイルスの影響で外食や飲み会の機会が減少し、家庭での消費も低調になっています。

これらの要因が重なり、ビール類全体の消費量が減少しているのです。


それらしい回答ですが、まことしやかな嘘もつくと言われているAIなので、回答をよく見てみたいと思います。
1の「健康への悪影響」は昔と比べるとよく聞く話ですし、僕にとっても耳の痛い話です。これは原因の一つでしょうが、実際にどの程度、消費減に寄与しているのかは、データで深掘りをしたいところです
2は、「なぜ?若者がアルコール離れしているか?」が不明なので、深掘りしたいです
3については、第3のビールの酒税は2020年に上がりましたが、そもそも20年以前から消費が減少傾向なので、なんか変??
4もコロナ以前から消費量が減少傾向なので、コロナ要因は一時的でそれほど寄与していないのでは・・・
1のデータがないので、2について、さらにAIに聞いてみることにします。

(AIの回答)
若者のアルコール離れが進んでいる理由はいくつかあります。

  1. 健康志向の高まり: 若い世代は健康を重視する傾向が強く、アルコールの摂取を控える人が増えています。

  2. リスク回避志向: 経済的な不安や将来へのリスクを避けるため、アルコールの摂取を控える傾向があります。

  3. 娯楽の多様化: SNSやデジタルコンテンツの普及により、アルコール以外の娯楽が増えています。

  4. 経済的理由: 非正規雇用の増加や低所得層の増大により、アルコールに費やすお金が減少しています。

これらの要因が重なり、若者のアルコール離れが進んでいるのです。

1は、先の質問と同じ回答ですね。
2は若者の気質の問題ですが、昔と今でそんなに違うかなぁ?
3は、確かにそうなんだろうなと思います。
4の所得の話は、昔に比べて今の方が上がっているように思いますが、若者はアルコール以外の娯楽にお金を使っているからかもしれません。

ビール事業の戦略

AIの回答も参考にして、まだ浅いですが戦略を考えてみました。

  • 「健康への悪影響」がビール離れの大きな原因とすると、先に書いたように他の事業へのシフトも考える

  • 「娯楽の多様化」については、「ビールを飲む事をエンタテイメントにする」というのが、戦略案になるのかもしれません

ビールのニーズは、「料理と共に旨さを堪能したい」したいだけでなく、本質的ニーズとしては、「仲間と楽しい時間を過ごしたい」があると思います。例えば、ヤッホーブルーイングが、ファンイベントを開催していますね。


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