寄り添うこと
私の子供たちの中の一人には、
重い精神疾患があります。
この子は、本当に小さい頃から優しくて、
DV夫から子供たちを連れて逃げて、
離婚成立後、私が精神的に病んでしまった時も
ずっと寄り添っていてくれました。
まだ5歳の頃だったでしょうか。
小学校に入学して、
いじめにあったり、理不尽な思いをした時も
私にはまったく報告もせず、
不登校になりました。
いつも母親を思い、母親が笑っていることだけが
彼の幸せだとでも言うように。
彼は優しすぎるため、
よく騙されたり、利用されたりしていたと思います。
はっきりとした年齢はわかりませんが、
そんな彼を、ペドフィリアは
玩具として利用しました。
彼がそんな目に合っているなんて、
母親である私は、ちっとも気づいていませんでした。
なぜ不登校なのか、何が彼を頑なにさせるのか、
まったくわからず、すごく悩みました。
私にできることは、彼に寄り添うことだけでした。
彼が10代半ばになった頃、
彼の人格は崩壊しました。
彼は、傷ついたその身体を、さらに
傷つける行為を行い、
精神が、正常を保てなくなりました。
人格が変わってしまったかのように
私を罵倒し、拒絶しました。
その頃の私は、彼の傷つける行為は知っていて
それをやめさせるように働きかけていました。
私は、愚かな、浅はかな母親でした。
なぜ彼が、あえて傷つくように
中年男性と関係を持つのか、
単に、趣味の問題なのか、
まったくわからず、
ただおろおろとしていました。
数年経ってから、何があったのか
本当のことを聞いたとき、
体中の力が抜けて、声を発することもできませんでした。
あんなに私に寄り添って、
私のために心をくれていた息子。
なのに私は自分の苦しさばかりで、
彼の苦しみにも悲しみにも恐怖にも気づかず、
いっぱしの母親のような顔をして
彼に寄り添っていた。
すべての事実を知った後、
私は母親として、彼の人生を
せめて不幸ではなかったと思えるものにしようと
心に決めました。
彼の精神疾患は、悪くなったり良くなったり
一進一退です。
けれど、彼は夢を見つけたし、
その夢に向かい歩き始めています。
彼の話を聞き、時には優しく
時には叱咤しながら、将来ひとりでも
しっかり歩いていけるように、
私は寄り添っていきます。
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