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添嶋 譲
2017年2月21日 22:02
両立はむずかしい触れてほしくないこと側にいてほしいこと構わないでほしいことひとりにしないでほしいこと無駄と言われれば消えなくてはいけないここにいなくても成立しないといけない君の言うことは難しいいつも難しい意味を持っているようでなんの意味もない言葉は耳の手前でするりと落ちていく誰かが来たねもうひとりじゃないね僕はもう出ていってもいいね君は誰かに囲まれているほうが似合
2017年2月21日 08:54
その日見た風景は葬式のようだった。色濃く縁取られた看板に並ぶ人、最期を見届けようとするなにか。列は長くなり、短くなり、これを途切れることのない、というのだろう。人々は互いを知らぬまま、互いの記憶を埋めるように、それぞれの言葉を地面に落とす。思い出はすぐに色褪せて、そう遠くない先には唇の端も記憶から消える。彼らはなにもなかったような顔をして、次の場所で同じことを繰り返す。共通の言葉を持た