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リテピ花写022 珍しいガマ。カマボコ、カバヤキ、フトンの関係は?

水辺に生えているガマを見たことありますか?
知識としてガマのことは知っていましたが、
たまたま実物を見たのは、数年前でした。
水辺にはよく行っていたのですが、なぜか、見た記憶がないのです。
実物はガマの穂が本当にソーセージが立っているような感じですね。

ガマは漢字で蒲と書きます。
この蒲が、蒲鉾(かまぼこ)や蒲焼(かばやき)
蒲団(ふとん)にも使われているんですね。

なぜでしょう?

かまぼこは、昔、板にではなく、
細い竹にすり身を巻き付けて竹輪のように焼いたのです。
まるで蒲の矛(ほこ)のように見えるので、
これをがまほこと呼んでいたのですね。

ウナギの蒲焼きも、昔は開かずに
筒切りにして棒にさして焼いたので、
ガマの穂に似ていたから蒲が使われたのです。

蒲団は、江戸時代より以前は、
スポンジ状の繊維が入った丈夫で柔らかいガマの葉を編んで
敷物を作ったのです。
今は、布と綿ですの、布団とも書いていますね。

おもしろい話ですね。
形は変われど、蒲をそのまま使っているのですね。

その蒲ですが、薬効もあります。

利尿、通経作用があり、
蒲穂が止血や外傷に効くということです。

有名な古事記の「因幡の白兎」という話。
ワニ(サメ)をだました白兎が毛をむしり取られて苦しんでいるのを、
大国主命が蒲穂を取って敷いてその上で寝転がるように教えます。
そんな古代の、古い時代から蒲穂の薬効が知られていたのですね。

そんな訳で、ガマの花言葉は、「慈愛」「救護」「素直」「従順」
「無分別」。
白兎への教訓のようです。
だまさず、分別を持って、慈愛の言葉には素直に従順に従い、救護される。
人への戒めの話ですね。

そういえば、同じガマでも、
ガマ油という、ガマガエル(ニホンヒキガエル)の油から作った
傷薬があります。
江戸時代の大道芸でガマ油売りの口上が、今では伝統芸になっています。
刀の切り傷を止血して治す軟膏薬ですが、
ガマガエルの油でなく、蒲穂が主成分だったという説もあります。

日頃見ることの少ないガマが、
こんなに身近な植物だったんですね。


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