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コミュニティ参加者として聴いてみた LITALICO研究所OPEN LAB#7 スカラーシップ生レポート

社会的マイノリティに関する「知」の共有と深化を目的とした、未来構想プログラム「LITALICO研究所OPEN LAB」

1月28日に第7回講義 コミュニティは誰を救うのか – 関係の網の目から希望を紡ぐ を開催しました。

以下では、同講義の「スカラーシップ生」によるレポートを掲載します。

OPEN LABスカラーシップ生とは
・障害や病気、経済的な困難さがあり、参加費のお支払いが難しい方
・本講義に対する学びの意欲が高く、明確な目的を持って参加できる方
を対象にした、公募・選抜制での参加枠による受講生です。スカラーシップ生は、同講義に無料で参加(遠方の場合は交通費を一定額まで支援)、講義終了後に「受講レポート」を執筆します。

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コミュニティ参加者として聴いてみた

年が明けて1月28日。第7回講義もスカラーシップ生として聴講。

今回の大きなテーマが「コミュニティ」。これまで所属してきたさまざまな「居場所」との関りを思い出しながら、「参加者」の立場から見て、「主催者」はどのような考え方や取り組み方をしているのか。このことを念頭に置いてみた。

登壇者3名ともに共通した命題は「生きるためにつながる」であると思う。
ごくごくあたりまえのことで、人間活動の基本ともいえるが、生きづらさを抱えている者にとって、「他人と違う」を自他ともに認識することがどれだけ苦痛であり、そして疎外感を得ていることか。

同じ症状や経験を持つ者が周囲には存在せず、飽くまでも「自分事」であって、「他人事」にはならない。

単に「生きづらさ」というくくりの中にあり、その場所やかかっている医療機関の違い、保持している“余計な身分証明書”等により、「仲間=ピア」という概念にてコミュニティが形成されていたり、当事者の立場ながらも支援者として職業に就く。これらのことで社会参加ができているのが現状であろう。

SNSのおいては、外に出られないことの不満、理解者が周りにいない不満、何をしたらいいのかわからない不安、時間があるから誰かとつながれるよろこび、これからに対する疑問、医療従事者や支援者に対するグチ等、実に言葉にあふれているものの、「解決」には至らず、「生産性」という視点からは何も生みだせていない。

では、実際に活動しているコミュニティはどのように機能しているのか?

医師であり研究者でもある森川すいめい氏は、その立場から「オープンダイアローグ」の「それぞれがそれぞれの人生の専門家としての対話」を通じ、新たな自分の創造へとつなげる効果を感じており、いぶき福祉会代表の北川氏は、会の関係者個々が相互に役割を認識することによりhappy-happyの関係性を生み出しており、PIECES代表の小澤氏は、「痛み」からの「想像」によって安心や癒しが増えていくとのことであった。

また、コミュニティを主催するリーダー的立場として、パネルトークでは北川氏が「代表だがまとめない。その役割は手放す。」という「役割放棄」により新たな価値が創造されると話し、「一緒にモヤモヤしよう!」と、時間と場所の共有を前提として運営に当たっていることがリーダーの在り方として一理あると思われた。

実は、私自身は、地元のマンドリンオーケストラにてコンサートマスターを務めており「合奏のリーダー」としてどう振る舞うかに頭を痛めることが多いのである。(たまに指揮者として引っ張ることも)

この発言、私より年上のメンバーしかいない団体であるため、大いに参考になったのは間違いない。

どうしても、私がこれまで「居場所」としている(いた)コミュニティでは主催側のルールの厳しさがあったり、強烈なリーダーシップによる運営であったりと、窮屈さを感じることが多かった。

「当事者会」の特性を考慮すると当然なのであろうが、どれだけのボトムアップが実現されたであろうか。


正式にオファーができるのはいつになるか?できることなら今月中にするだけのことはしたい。ぜひ、この日の話を「仲間」に聴かせたい。
思いを実現させるべく、かなりのフライングでしかも貴重な質疑応答の時間というのに「第4回 神奈川ピアまつり」の宣伝をおこなった。

「誰が当事者? 誰が支援者?」と訊かれる現状の我々、YPS・横浜ピアスタッフ協会をもっとも世の中にアピールする場は、どのように映るのか、そしてどう関わっていけるのか、この日の登壇者をはじめとする参加者の方々に、6月7日(日)、横浜市開港記念会館にお越し願いたい。


私は、当事者としていったい何者なのか、そして、何をしていく者なのか。
そのことでどう、誰と関わっていくのか。さらに、そのためには何が必要なのか。

日々の活動から出す答えは毎日異なるだろうが、それが「成長」と評価されるよう、過ごしていきたい。

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LITALICO研究所OPEN LAB#2 スカラーシップ生
佐藤 孝 (さとう たかし 50代男性)

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プロフィール:
・昭和40年代生まれ
・北海道出身・現在神奈川県民
・28歳の時にうつと診断され、10年後に躁が入っていることも判明
・40歳のときに手帳取得
・仕事も車も家族(妻)も失い、絶望しかけるが、「欲の塊」であることを 思い出し、「なりたい自分」になる=「リカバリー」にむけ、横浜ピアスタッフ協会=YPSのメンバーに。
・心理テストライターとしてTV番組で採用された実績あり
・就労移行支援事業所「LITALICOワークス」元利用者

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LITALICO研究所OPEN LAB

次回の講義はこちら

第9回 それぞれの孤独を携えて、私とあなたが隣に「居る」こと

食事をする、仕事をする、恋をする、式をあげる…何かを「する」ことで得られる日常のささやかな喜び。

その裏側でそれぞれが抱える痛みと孤独。

「わかりあえる」という期待と「わかりあえない」という諦め。

決して重なりきらない別々の人生を生きる私たちが、それでも共に「居る」ということ。

LITALICO研究所OPEN LAB、シリーズ最後の講義です。

ゲスト
家入一真さん 株式会社CAMPFIRE 代表取締役CEO
尾角光美さん 一般社団法人リヴオン代表理事
東畑開人さん 十文字学園女子大学准教授

2020年3月24日(火) 19:30〜22:00

次回講義は、完全オンライン配信での実施となります。

チケット販売サイトPeatixよりチケットをお求めください。


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