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「痛み」と共に生きながら、一人ひとりがウェルビーイングに至るには。LITALICO研究所OPEN LAB#2講義レポート
※本記事は2019年8月30日に実施したイベントのレポートです。 昨今、耳にすることの多くなった「ウェルビーイング」について、最も広く知られるのはWHOによる「健康とは肉体的・精神的・社会的にもすべてが満たされた状態(well-being)である」という定義だろう。 しかし、それが「幸福度」「ハピネス」といった尺度とはどう違って、どう実現に導けるものなのかという問いに答えることは、なかなか難しいように思う。 これを書いている僕自身も、高次脳機能障害の当事者であり、人生の
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記事をすべて見る漠然とした「不安」が人の生死を左右する。抗うために必要なのは、「生きる」方法を事実として知り、分かち合うこと
新型感染症の世界的流行という未曾有の社会情勢下で、私たちは今、これまでになく「医療」と「自由」を巡る自己決定を求められています。他人と自分の命を守ることを、これほどまで要請されたことがあるでしょうか。一方で、それが自由とのトレードオフであることが、事態をより複雑かつ困難にしています。 この「医療」と「自由」のせめぎ合いは、実は古くて新しい問題です。医療の発展による、出生前検査の普及、人工呼吸器装着のための気管切開という選択。相模原・津久井やまゆり園の殺傷事件――。いずれも、
スキ36【人事向け】無料セミナー「女性・障害者・LGBTQすべてに通ずる “ちがいを活かす組織になるための21の行動”」
LITALICO研究所所長の野口です。 LITALICO研究所では、「障害のない社会をつくる」というビジョンの実現に向け、研究と実践と政策をつなげる活動をしています。 この度、LITALICO発達ナビと共同して、以下の通りダイバーシティ&インクルージョンに関する研修を開発しました。これまでの先行研究と社員へのインタビューをもとに開発した具体的な行動変容を起こすための研修です。興味のある方、ぜひご参加ください。 ----- ◆背景 ダイバーシティ&インクルージョンと呼ばれる
スキ7からだを広げるテクノロジーは、人の可能性と自由意思も広げていく:WITH ALS・武藤将胤さん×慶應義塾大学教授・南澤孝太さん
文化人類学者のエドワード・ホールは、著書『沈黙のことば』にこんなことを書いている。 「今日、人間はかつて自分の身体で行っていた作業のほとんどすべてを拡張する技術を開発した。武器の発達は歯と拳骨からはじまって原子爆弾で終わる。着物と家屋は人間の生理的な体温調節機構の拡張であった。家具は地面にしゃがみこむ動作にかわった。電気器具、双眼鏡、テレビ、電話、書物等々はすべて時空をこえて声を運ぶことで肉体の行為を拡張する道具の例といえる。(中略)実際、人間の手になる道具のすべては、かつ
スキ10「身体と社会は対立するものではなく、フィードバックし合うもの」マイノリティ当事者が語るコミュニケーションのあり方
人はそれぞれ違った顔の形、体型や性格、コミュニケーション方法を持っている。客観的に見るとあまり違いがないように見えることもあるが、本人は人と違うことに悩んでいる場合もある。そして中には、社会で「平均的」とされる外見やコミュニケーション方法との違いが極端に大きい人もいる。 かつて某国民的アイドルは「ナンバーワンでなくオンリーワンでいい」と歌っていた。また、某アニメ映画のプリンセスは「ありのままでいい」と歌った。オンリーワンでいること、ありのままでいることが難しいと感じるからこ
スキ27