後書
この間、大昔に読んだ『チーズはどこへ消えた?』という本をまた読んでみました。
すっかり内容は忘れていたのですが、簡単に説明すると二匹のネズミと二人の小人が迷路のような場所にチーズを探しに行く話で、最初に見つけたチーズが底を尽きてしまい、二匹のネズミはすぐに次のチーズを探しに行くのですが、小人二人はチーズが無くなった現実をなかなか受け入れられず、その場に立ち止まってしまいます。
そのうちの一人の小人『ホー』はチーズが無くなった現状を理解して、次のチーズを探しながら様々な教訓を見出していきますが、もう一人の小人『ヘム』はまだここからチーズが出てくるんじゃないかと同じ場所に留まり、次の一歩を踏み出すことをしません。
そんな話です。
たぶんこの本を最初に読んだのは20代半ばの頃だと思いますが、その頃の私は「自分もホーのように常に次の展開を考えていて、未来に希望を見出している」と思っていました。
でも、20年以上経ってこの本を読んでみると、今の自分がヘムであることに気付かされました。
なんだか情けない話ですが、まずはその事実を受け止めています。
もう、この場所にはチーズは残ってないのかもしれません。
人間が持っているエネルギーの総量に大差はないと感じていて、人生もマラソンのように一気に全力を出さないようにペース配分を考えて続けていくパターンと、短距離走のように瞬間に全力を注いで夏の花火のごとく一瞬で散っていく生き方があるんじゃないかなぁと思います。
自分にあとどれだけのエネルギーが残されているかわかりませんが、この先は歩いたり走ったりしながら、ちょぼちょぼ進んでいくつもりです。
小説の制作を始めて一ヶ月で17作を書きました。
ちゃんとしたストーリーがあるものから主人公が人間でないもの、コントやエッセイ調なもの、ヘンテコで気が触れたような内容まで様々な作品をお出ししました。
全部最後まで読んでくれた方は数えるほどしかいないと思いますが、私の試みにお付き合い頂いて感謝しています。
ありがとうございました。
最後になりますが、作品はすべてフィクションです。
作中に書かれた人物、内容は実際の出来事とは異なりますので、ご了承ください。
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