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Tableau Public (無料)でもビューやダッシュボードをローカルのファイルに保存できるようになりました

はじめに

こんにちは、ライフイズテックでデータサイエンティストをやっているホンディーです。今日はTableauのお話です。

最近追加されたTableau Publicのとある機能に感動したのでそれを共有したくて記事にしました。

Tableau Publicについて

Tableauは有名なBI(Business Intelligence)ソフトで、直感的な操作で非常に柔軟にデータの可視化と探索的な分析が行えます。

Tableauには Tableau Desktop や Tableau Cloudなどの有償のソフトウェアやサービスがあり、自分はこれが大好きで前職で働いていた頃は毎日のように触っていました。

ただ、現在のライフイズテックのデータ基盤では、ダッシュボードの作成と共有にはTableauではなくOSSのReDashを採用しています。ダッシュボード作成ソフトとしてReDashには優れた部分も多くあり、何と言っても無料でユーザーを増やせるので社員が続々と増えているライフイズテックの今のフェーズとはよくマッチしていると思っています。

とはいえ、自分が手元で探索的にデータを分析するのに使うにはReDashやPythonでの可視化だけでなく、Tableauを利用したい場面も多々あり、無料版のTableau Publicを並行して利用していました。

この Tableau Public(無償) は Tableau Desktop(有料) とほとんど同じ機能が使えるのですが、大きく違う点が一つあり、作業したビューやダッシュボードをローカルのファイルやプライベートなサーバー環境へ保存することができません。保存する場合はTableau Publicという開かれた場所に公開するしかなかったのです。現実的な話として業務で行ったデータ分析は社外秘なものがほとんどなので、作業結果の保存は実質的にできないものでした。

ちなみに、このnote記事の本題からはずれますが、Tableau Publicのサイトにアクセスすると様々な方が公開されたダッシュボードを見ることができて楽しいのでおすすめです。
参照: Tableau Public

Tableau Desktop Public Editionにやってきた新機能

昨年からTableauとよく似たなUIでデータ分析ができるPyGWalkerというPythonライブラリが登場するなどしていて、個人的にはこちらの進化に期待していたのですが、先日開催されたのTableau Conference 2024 で衝撃的な機能が発表されました。

Tableau Desktop Public Editionにローカル保存機能が搭載されたのです。
参照: Local File Save with Tableau Desktop Public Edition

早速Tableauをアップデートして起動してみると、たしかに「保存」があります!

ファイルメニューから選択すると作業内容をファイルに保存できました。(「⌘(Command) + S」のキーボードショートカットは相変わらずTableau Public(オンラインで公開される)に保存しに行くので注意が必要です。操作ミスで公開しないようにTableau Publicからはログアウトしておきましょう。)

拡張子は .twbx (データとワークブックを纏めて保存) と .twb (ワークブックのみ保存) の両方に対応しています。

Tableauで作ったグラフをファイルに保存できるのであれば、社内に他にTableau Publicユーザーがいれば可視化結果をファイルで受け渡すこともできますね。

ただし、共有先が一人二人であればファイルで渡してもいいのですが社内や部署内で広くダッシュボードとして使っていきたいのであればTableau Cloudのようにログインが必要な環境へのアップロードが必要なのでまだ有償版を置き換える事はできないですね。

また、有償版と無償版の別の大きな違いとして接続できるデータソースの種類があります。無償版の方だとローカルのファイルにしか接続できないので一旦データをダウンロードしてきてExcelファイルやCSVファイルとして保存しておく必要があります。

Tableau Publicでファイルが保存できるようになることで変わると思うこと

1つ目の変化はシンプルに僕の業務の効率化です。

分析依頼の中には、ダッシュボード化するほどではないけど、一度データを出して確認した方が良いといった温度感のものも多数あります。これまでは要件によって、最初からReDashで作ってしまったり、Pythonで作業したりスプレッドシートを使ったり、Tableau Publicで可視化してスクリーンキャプチャーで共有したりと各手段を使い分けていました。この中で、「1回しか見ないがSQLで集計するには複雑な要件だ」という場合、採用していたのがTableauでの可視化とスクリーンキャプチャ(画像)での共有です。

これが本当に1回報告して終わりならこれまで通りファイルに保存ができなくても良かったのですが、1週間ほど経過してデータが増えてからもう一回同じのを見たい、となるとTableauでの作業は最初からやり直すか、ReDash等で作り直しておく必要がありました。これがTableauの作業結果を保存しておけば簡単に以前と同じ基準の可視化ができます。

2つ目が将来に期待していることですが、データ分析の文化が社内に広がるきっかけになるといいなと思っています。

ChatGPTをはじめとする生成AIの登場によって、そこまで技術スキルの高い人でなくても、簡単なSQLを書くことが可能になっています。
しかし社内での事例を見ている限りでは、本当にSQLの知識がない人の場合、現時点では必要なテーブルを結合して単純な集計を行うくらいのレベルで一つ壁があり、明確な要件が事前にあればシンプルなダッシュボードは作れているが、探索的な分析を行うにはもう一歩届いていないと感じています。

ここで、Tableauが無料で活用できるとなると、ChatGPTでざっくりとデータを抽出するSQLを書き、TableauのGUI操作で分析を行うという選択肢が生まれます。
これがうまく広まれば自力でデータ分析する人を社内に増やして行ける可能性があるのではないかなぁと期待しています。

まとめ

Tableau Conference 2024 では待ち望んでいたTableau Publicのファイル保存機能が発表され実際にリリースされているバージョンにその機能が搭載されています。
単に僕が便利に使えるようなるというのはもちろんですが、これがうちの社内にとどまらず、世の中のデータの民主化に一つ貢献してくれるといいなと思いました。


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