知ってるつもり財政

公民科の授業について、教員向けに授業実践を綴っています。

財政を扱う単元の授業
主な項目は5つくらい

財政の役割、税制
わが国の現状、国債、財投債

財政の役割は、公共財、公共サービスの供給がイメージしやすい。次いで景気対策を取り上げる。一番疎かになりがちなのが、所得の再分配だ。おそらく累進課税だけ紹介しておしまいという先生もいるだろう。

所得の分配
所得の再分配

1市場を通じて資源配分が行われ、その結果として所得がある。経済活動の成果が分配される。市場による分配がうまくいっていれば、政府による再分配の役割は小さくて済む。格差が問題となるなら、財政が所得再分配の役割を果たさなければならない。

市場による分配って?
経済活動の成果はうまく分けられているのか?
経営者と従業員は収益をどう分け合うべきか。
労働者の賃金はどのように決めるべきか。(年功序列、能力主義)
貧困対策として何をすればいいか。

財政をテーマにした授業ではこのようなことを考えさせることができる。

2わが国の現状は、巨額の財政赤字を抱えていることや歳出に占める社会保障費の割合が大きい。

国債の発行は国の借金と言われる。

気をつけたいこと

借金はない方がいい、は誤り。政府も大きな費用が必要なときがある。必要なのは、いつも毎年ではない。橋や建物などの建設がイメージしやすい。必要な資金を1年で準備するのは政府でも難しい。毎年少しずつ払うのもありだ。つまり借金だ。

外国から借りるのと、国内で借りるのでは異なる。外国と国内は何が違うか?
国内であれば、資金を持っている人に課税できる。外国には課税できない。ひどい話だが、政府は、国内で借りている資金を持ち主に返済して、課税してまた取り上げることもできる。国に資金を貸してくれている人に課税して集めた税金で、借金を返済することもできる。

地方自治体の借金、地方債は地域内の借金ではなく、地域外から借りている。地域外には課税できないので、返せない場合は大変困る。日本の国債残高を諸外国と比べて巨額だ!と言うが、国内調達であることに留意が必要だ。

地方自治体は見込んだ額の税金が集まらないと、借りた資金は返せなくなる。支出が上回って赤字になってしまうと、支出を削るしかない。ピンチになっている自治体は多いので、地元自治体の財政を扱うことは大事だ。

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