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プロになるための資質とスキルの「無い人」について

8割の人は曲を聴く前に門前払い

年に10通ぐらいは「雇ってくれ」「曲をきいてくれ」「弟子にしてくれ」系のプロ志望の方のメールがきます。
しかし、その8割がメールの文面だけで曲を聴くまでもなく資質がないことがわかります。音楽以前の問題なのです。
今回は、プロとしての最低限の資質の「無い人」について書きたいと思います。

1.伝えたいことを文章化する能力がない

プロでやっていきたいのなら、メールなりDMなりで仕事相手に文章で必要なことを過不足なく伝える必要があります。しかし、私が今まで受け取ったメールの8割の人はそれができていません。

プロのミュージシャン志望です。曲を聴いてくれませんか?自信はあります!

うちに来たメールから来たメールを参考に作った例

とだけ書いてあったり、今までで一番すごいのだと

一緒にやりましょう!

うちに来たメールから来たメール文章まんま

のひとことだけ書いてるものもありました。

うちは夫婦二人でほそぼそとやってる音楽制作会社です。特に売れっ子というわけでもありません。それなのにこんなメールが来るのですから、売れっ子や大手はこの1000倍は来てるでしょうし、さぞ大変なことでしょうね。

伝えるべきことは、まずはまともな自己紹介。
どこに住んでるかを書いてない人も多いです。(うち沖縄ですよ)
どんな音楽をやってきたか、プロとしてどうなりたいのかなど書くことはたくさんあるはずです。
そして、うちはスタッフ募集もしてません。そこにメールをするのならば、その理由を書く必要があります。

これらを文章で伝えることすらできていないのなら、最低限のプロとしての音楽クオリティには達していないだろうと私は判断します。なぜなら、商業音楽はリスナーへの音楽を使ったプレゼンテーションだからです。リスナーが音楽を聴くことでどんな気持ちになるかを想定しながら作るのがプロです。自分の好き勝手に音楽を作っているわけではありません。
相手に伝わらない文章を書く人が、他人に伝わる音楽を作れている可能性は低いです。
そして、仮にそれなりのクオリティお音楽を作れていたとしても、うちのような請負の音楽制作はクライアントとのコミュニケーションから相手の欲している音楽を導き出して作るのが仕事なので、必要な情報を文章に落とし込めないのは致命的でやっぱり無理なのです。

ただ「アーティスト」としてプロになる可能性は残っています。私はアーティストのことはわからないので、そういうオーディションとか受けたほうが良いでしょう。少なくともメールを送る相手はうちではありません。

2.パソコンをもっていない

ほんとに多いです、PC持ってない人。携帯キャリアのメールアドレスを使っていてこちらからのメールがフィルタで届かない人も居ます。

PCを持っていない、使えないは言うまでもなく論外です。
音楽制作に限らず、コンテンツ制作では資料がPDF、PSD、WAV、OGG、docx、zip、など様々な形式で送られてきます。やりとりもEメールだけでなく、Facebookメッセンジャー、LINE、zoom、Teams、slackとさまざま。それらツールにも対応する必要があります。スマホだけでは無理です。

たまに若い人で「スマホでもできる」という人が居ますが、そのスマホで無理くり頑張って対応するだけの労力で、PCだと10〜100倍の速度で仕事ができます。スマホとは「簡易版PC」なのです。モニタが大きく、入力デバイスが充実し、拡張性が高いPCとは比較にすらなりません。

3.自分の現在の能力、これから必要な能力を客観的に判断できない

総合すると自分の能力を客観的に見ることができていないという結論に至ります。
なにかのプロとしてやっていくのに一番必要な能力はこれです。
それは別にプロとしてやっていくのにトッププロ級である必要はありません。その分野のプロとしてやっていくために、必要な能力を様々な人やコンテンツと自分を比較するのです。そうして自分はその世界でやっていけるのかを客観的に判断します。
一番簡単な判断方法は「◯◯の作品と同じレベルのものを自分は作れるか?」です。
作れるなら自分もそのレベルに達してるし、作れないならそれを作れるレベルまで自分のスキルを引き上げる必要があります。

この客観的な判断ができる人は、パソコンを持ってなかったり意味不明なメールを送ってくるはずがありません。

おわりに

最近こうしたメールが連続できてうんざりしたので、半ば愚痴みたいなエントリーです。

ただ、今プロとして音楽をやるための道筋がわからないという人は多いんじゃないかと思います。だから、最後にプロの資質があるかわかる簡単な方法をお教えします。

それは

ボカロ曲を作ってYOUTUBEとニコ動に動画をアップする

です。100万再生越えたらいろんなところから声がかかります。再生数が伸びなくても、能力があれば声がかかります。

大真面目に、これが今一番の方法だと思います。

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