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Day16. ちょっと目を凝らしてみる

5月22日の今日は「国際生物多様性の日」だという。ふだん家にこもっていると人間以外の生物に全く出会さないなんてこともあるかもしれない。
ちょっと散歩に出たとしても、目に付くのは植木や雑草、鳩や猫、犬くらいかもしれない。でも、じつはわたしたちの周りにはたくさんの目に見えない生き物−−菌やウイルス、虫、たくさんの植物がいて、一緒に暮らしている。

「生き物」をまず認識する

生き物を大切に、っていう社会規範みたいなものはみんな理解しているし、そうしたいと思っている。かわいい子犬が露頭に迷っていたら、誰しも保護してあげたいと思うだろう。でもそのためには、まずはその対象を認識しないといけない。そもそもその存在を知らなければ、慈しむことも守ろうとすることもできない。

そんなとき、身近な生き物探しにうってつけの、素敵なアプリを見つけました。「いきものコレクションアプリ『バイオーム』」である。ポケモンGOやドラクエウォークみたいなノリで、リアルな生物を見つけては「コレクション」していくゲームだそうだ。めちゃくちゃ楽しそう。わたしもダウンロードして遊んでみよう。

テキストでは、水質汚染について学んだ。
人間活動によって汚染された排水が川、湖、海、地下水に流れ出ることで水質汚染が広がっているという話だ。イメージすればわかる通り、工場や鉱物の掘削現場からの排水は多くの有害物質を含んでいる。たとえ目前に広がる川は有限に思えても、多数の人間が寄り集まれば十分に汚染して生物システムを壊すことができる。

流れがある川はまだしも、水の動きがない湖や地下水が汚染されてしまうと大変だ。浄水には多額のコストと膨大な時間がかかる。水質汚染問題で口酸っぱく言われているのは、「予防コストは修復コストよりずっと安い」ということだ。これはどの環境問題にも当てはまるだろうけど、水質保全において予防策をとることはとても重要だ。

一方で、開発途上国のほとんどの都市では、未処理の下水の80~90%が河川、小川、湖沼に直接排出されている。その水は飲料水、入浴、洗濯に利用されている。濾過や下水道のシステムがないと、水質汚染の被害は広がるばかりだ。

なんだか悲しい気分になってきたが、水質改善を行うことは不可能ではない。というより、割とシンプルにできる。自然の浄化作用をオーバーしなければ良い話なので、汚染物質のインプットを抑えることさえできればいいのだ。例えば、ロックダウン只中のインドでは、あの汚濁したガンジス川がきれいになっていると話題になっている。自然の回復力はすごい。

さて、今日は身近なところ、日本における飲み水について考えてみる。

飲み水の安全性

日本の水道水は、水道法4条と水質基準に関する省令により水質基準を定められていて、世界基準と照らしても飲み水に十分適している。ただ、消毒のための塩素が含まれていたり水道管の劣化リスクがある。病気になるほどの汚染はまずされていないと考えてよいけども、気にする人は気にするだろう。夏の暑い日には、コンビニで手軽に買って飲めるというのも使い勝手が良い。そんな背景もあって、ボトル詰された水は右肩上がりでシェアを伸ばしている。

ペットボトルの水について考える

ボトルドウォーターは大抵ペットボトルに入っているけど、PETは石油からできている。リサイクルPETなんていうのも出てきたし、それはベターなことだと思うけど、マテリアルリサイクルはコストとエネルギー負荷がかかることを見過ごしちゃいけない。コストがかかるリサイクル製品をあえて採用するのは、メーカーや小売店の「グリーン」アピールの宣伝広告費として捉えているからだろう。

ボトルドウォーターの全体のライフサイクルについても考えてみよう。飲料水を製造し、国を越えて世界中に輸送し、店舗で冷蔵するためには膨大なエネルギーが必要となる。 また、プラスチックボトルを製造する際には、有毒ガスや排水が発生する。さらに、水を地下水から取水する場合、一部の帯水層の枯渇を助長してしまっているという。さらに言えば、ビスフェノールA(BPA)のような化学物質による健康被害も懸念されている。

リサイクルすればオールオッケー?

日本の廃棄物・資源物フローにしっかり乗れば、あなたがちゃんとリサイクルボックスに入れたペットボトルが海に流れ出る、なんてことはまずない。収集時に飛んで行ったとか、そんなことがない限りは。リサイクルボックスに入れられたペットボトルは、リサイクル工場に持ち込まれて、粉砕されたり圧縮されたりする。運びやすくするためだ。その後、また別の工程でフレークにして再生品の原料にしたり、もしくは燃やしている。そう、燃やしているのだ、6割。最近は国内のマテリアルリサイクル工場が逼迫しているので、焼却処理(サーマルリサイクル)に回されている量はもっと多くなっているかもしれない。

ペットボトル、すなわちプラスチックは石油(ナフサ)からできているので、炭素を多く含む。すなわち燃えやすい。燃えないごみって分別のされ方をしたりするけど、じっさいめっちゃ燃える。なので、焼却時には助燃剤みたいな役割を果たしている。コストの合わないテリアルリサイクルに疲弊した業者からは、「最初から燃やしちゃえばいい」なんていう声も漏れ聞こえてくる。うなぎのぼりのペットボトルの消費に静脈産業サイドが追いついていない。というか、行政の補償や価格見直しの反映が十分でないためにリサイクル業者が疲弊してしまっている。

話が少し飛んでしまったけど、変わらない事実として覚えておきたいのは、ペットボトルを燃やす際には二酸化炭素が発生するということ。そして容器包装リサイクル制度にしたがってマテリアルリサイクルされたとしても、工程上多くのエネルギーや水を消費されているということも忘れちゃいけない。つまり、リサイクルっていうのは思っているほどクリーンなものじゃないってことだ。

うまく選択していきたいね

ペットボトルの環境負荷についてざっと書いてみた。でも、特に健康面で気にするポイントは人それぞれだろうから、ボトル詰された水を飲むという選択肢もあるべきだ。だけど、実態を知らずしてただなんとなく選択して結果的に環境負荷を増やしているなら、もう少し自覚的であると良いなと思う。

水道水に抵抗があるなら、浄水器やフィルタを利用してマイボトルを持ち歩くという方法もある。わたしはこの冬250mlのミニ水筒を買って毎日一緒に暮らしているけど、QOLがめっちゃ上がった。保温・保冷、持ち歩きしやすいっていうのは本当に偉大なことだ。

暑くなってくると、お家で入れた水を飲み干してしまうこともあるだろう。そんな時には、お出かけ先での給水スポットを教えてくれるアプリを活用したい。今のところ国内5500箇所以上登録されているらしい。

先に紹介した『バイオーム』と似て、『my mizu』も現実世界を開拓していく楽しさがある。素敵な公園を見つけたり、お店の人とお話したりすることで視野を広げていけるのって、いいよねぇ。

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