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修論のあれこれ

こんにちは、りさです。
ユトレヒトは相変わらず寒く、雨模様の日が続きます。日光不足で鬱にならないように、ビタミンDのサプリを飲む日々です。しかし効き目はわからない。「ケアしている」という実感こそが大事、たぶん。

修士論文のproposalの提出期限まであと5日。明日の朝は、教授と面談。木曜日に提出した草稿のフィードバックをもらうことになっています。

ここ数日、自前のPCの充電器のケーブルが壊れてしばらく使えませんでした。そんなわけで、大学図書館で使い慣れないパソコンをいじって仕上げた草稿。まだまだの出来ですが、喉元過ぎれば熱さを忘れるとはこのこと、提出してしまうと振り返るのが億劫になります。あと5日しかないけど、どうにかなるかしら。

修論では”Discourse analysis (ディスコース分析)”という手法をつかって、日本のサーキュラー・エコノミーがどんな文脈で語られているのか、どのような位置にあるのかということを研究しようと思っています。質的なアプローチで、叙述的なリサーチクエスチョンに答える、というような感じです。しかしこのDiscourse analysis、授業を通じて学んでいないこともあって、よくわからない。フーコーの「言説」は学士のころにちょっと触れてその考え方に感銘を受けたのですが、しかし実践的な研究となるとさっぱり。
Nvivoというコーディングソフトを使うことだけは決めたので、とりあえず一昨日インストールしてみました。使い方はなんとなくわかったけど、方法論が確立していないとどう使いこなしていいのやら…。
ちゃんと腰を据えて「ディスコース分析とは」みたいなペーパーをちゃんと読むべきなんですが。今のところ、どのように手法に落とし込んでいいかがさっぱり。これが一番の課題です。

あと、修論という最終段階になってはじめて、”Mendeley”という文献情報管理ツールをまじめに使っています。論文は既存の文献の情報をもとに書き上げるものなので、先人の知恵を引用して自分の主張を成立させていきます。そんなわけで、気づけば引用した文献のリストが3、4ページぐらいに膨らむことはよくあることでした。修論ともなると、ボリュームは過去最大級になるわけですから、文献リストはさらに長引くことになります。
そんな時に助けてくれるのがこのMendeley。著者やジャーナルの情報などをクラウドに貯めておけば、Wordでスムーズに引用ができます。文献リストへの反映もボタンひとつ。なるほど、こりゃいい。クラウドへの入力がたまにめんどくさいですが、慣れてしまえば大幅な時間節約になりそうです。
存在は知っていたけど、一念発起しないと「使ってみよう」となかなか踏み切らないものですね。

リサーチは文献調査、政策分析、メディア分析、関係者インタビューをもとに組み立てる予定です。
来年の1、2月に一時帰国してメディア分析とインタビューをしようと考えていました。そろそろ飛行機を手配しようかしら。そんな矢先にオミクロン株の流行で日本が水際対策を強めるというニュースが。
帰国自体は可能なようですが、6日間はホテル隔離が必須で、さらに合計14日間はおうちから出ちゃいけないよ、と。うーん。なかなか厳しいなあ。当面は1カ月間の処置だそうですが、しばらくこの強化措置は続くんじゃないかしらと思います。
日本には1年半近く帰っていないものですから、そろそろみんなに会えるのを楽しみにしていたのですが。帰るタイミング、ずらした方がいいかな。もし状況が悪化したらどうなるんだろう。
人間、期待を抱いてしまうと、それが実現しえない時にどうしても落胆してしまうものですね。ま、大したことではありません。気持ちと頭を切り替えて、前向きに考えることにします。

……
そんなわけで、頭の整理もかねて修論の現状をつらつら書いてみました。また次の記事を書くときは、無事proposalが通ってリサーチを本格化させられていますように。

そうそう、修論とは直接関係ないのですが。先々週、教授との面談ではじめて学部のオフィスに足を踏み入れました。これが、なかなか感動もので。ずっとオンラインでしか会ったことがなかった先生方とすれ違ったりして、なんだか芸能人を見かけたような気分でした。うほー、アカデミックの神聖な空気や~。みたいな。

面談ののち、建物内の1階のスペースでコーヒーを一服。この建物は基本的に教授やアシスタント達が出入りする建物のようで、生徒はほとんどいません。穴場だな、と思いながら作業していると、二人の女性が話しているのが聞こえてきました。どうやら彼女らは、PhD課程にいる、もしくは終えたばかりの新米の先生のようです。

「まだ英語がネックに感じることが多いんだよね」
「わかる、まわりくどい言い回しばっかりしちゃう」
「メインの教授の授業の方向性がわたしとは違って…」
「たしかに、20分で全部言いたいこと伝えるのは無理があるよね」
「オンライン授業は生徒の反応がわからないからツライ」
「ほんとに、ちゃんと聞いてるかすらわからないからね」
「生徒が質問してくれたり授業を評価してくれると、報われるんだよね」
「わかるわ~」
「プロフェッショナルな意味で、わたしのいいところってどんなことかな?」
「自信があるところがいい。覚えてるのは、1年前くらいのプレゼンで…」

そんな赤裸々な先生トークが隣の席で繰り広げられていたのです。

おほー。先生も、そんな風に思うことがあるのか。
とても流ちょうな英語を操る、博士課程まで進んでいるインテリジェントな人たちでも、悩みごとってあるものなんだな。
まあ、よく考えればそうだよな、同じ人間だもの。いやあ、先生たちにも優しくしなきゃな。そんなことをふわ~っと考えました。

立場や肩書で人を分けてしまうと見えづらくなることって、けっこうありますよね。みんなみんな、それぞれ一所懸命にもがいているんやな。わたしも頑張らねばな。そんな気持ちにさせられました。

そうだ、頑張らなきゃな。やることいっぱいあるぜ。
みなさんも、次回ここでお会いするまでお元気で。


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