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#10 「ミスタードーナツ」と「DUNKIN' Donuts」を比較トレース(webサイト戦略比較)

今回は、オリジナルのフォーマットを用いて、日本とアメリカそれぞれのドーナツチェーン店に着目し、環境の違い〜それぞれのwebサイト上の戦略の違いを分析してみました。

2社の概要

「ミスタードーナツ」

株式会社ダスキンのフードグループに属し、現在日本でほぼ唯一のドーナツチェーン店。現在約1,000店舗を全国に構えている。扱う商材は、ドーナツをはじめとして麺類やホットドッグ、カフェメニューなども扱っている。

「DUNKIN' Donuts」

アメリカ最大のドーナツチェーン店で、全米約11,300店舗を構えている。扱う商材はこちらはドーナツの他に、サンドイッチやハンバーガーなども扱っている。

日本とアメリカの外部要因の違い

Economy(経済)

・日本はドーナツ消費量が減少傾向:818億円(2017)

・アメリカはドーナツ消費量は増加傾向:約80億ドル(2017)

Society(社会)

・日本はドーナツチェーン店が少なく、タピオカやパンケーキなどの専門店や、カフェチェーン等が流行しやすい。

・アメリカはドーナツチェーン店がひしめく。ハンバーガーチェーンやカフェチェーンも多い。

Technology(技術)

・共通で、期間限定商品や新製品の継続的な開発技術

2社のwebサイトの戦略の違いと気づき

「ミスタードーナツ」

・サイトのLead energyは「Emotional」
・期間限定メニューやキャンペーンの紹介をスライダーメニューに設け、遷移先にキャンペーンごとのLPを設置している
・ファミリー層に向けての訴求がweb上になく、TGTとマッチしていない印象
・購入や来店を促す仕組みやCTAが弱い

「DUNKIN' Donuts」

・サイトのLead energyは「Action」
・アメリカはドーナツやバーガーチェーンが多いため、会員特典(Reward)を押し出すことで差別化している
・ヘッダーメニューはメニュー/デリバリー/ロケーション/ショップとほぼ購入へ繋げるCTAに特化
→さらにスクロールすると、最寄り店舗の地図が埋め込まれていて、来店を促している

考察

ミスタードーナツは購入への導線よりも、メニューやキャンペーンのイメージ戦略を優先しているのに対し、DUNKIN' Donutsは購入と来店へ繋げるCTAを最優先しているところが戦略の違いとして圧倒的でした。

また、市場背景と競合状況が異なることにより、ポジショニングも異なる印象を受けました。アメリカは同業の競合が多いこともあり、会員になることで他社との差別化を明確に示しているのがクリアだと感じました。

CTAへのコミットというのは、日本企業が苦手としている分野でもあると個人的には考えているので、今回の比較は勉強になりました。

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