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21歳の私が「スクラムを組んで、民主主義のDX」を目指すまでの『9つの気付き』: #Liquitous

はじめまして!栗本拓幸と申します。
「参加型合意形成プラットフォーム」を開発し、"まち"や"コミュニティ"などの公共に社会実装する株式会社Liquitousというベンチャーを立ち上げ、活動しています。

今、やっていること、考えていること

私たちLiquitousは、オンラインの参加型合意形成プラットフォーム"Liqlid"の開発・社会実装に取り組んでいます。

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現在、Liqlidはプロトタイプ版です。Liqlidプロトタイプ版は、アイデア出し・プロジェクト(たたき台)のブラッシュアップ・投票という3つの段階を通して、オンライン上で、対話・熟議にもとづく合意形成を図るWebアプリケーションです。

Liqlidは、”Digital Platform for Public Participation(DPPP)”と分類されます。Code for Japanさんが加古川市などで取り組んだり、電通ISIDさんが取り組まれているバルセロナ発の"Decidim"が知られています。

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長期的には、市民と役所、市民と議会をつなぐ、オンライン上の新しいかけ橋として、社会に実装していきたいと考えています。

私たちLiquitousは、Liqlidの社会実装、スクラムを組んで民主主義のDXを進めるパートナーを探しています。私自身が、どのような気づきを得て、Liquitousを立ち上げ、活動を続けているのか、しっかりと説明をしておきたいと考えています

イントロダクション〜

私は1999年生まれの21歳です。ひょんなことから、「自分の国をつくってみたい!」と思いたち、国ごっこをしながら大きくなりました。小学校入学後は、「国や会社が回る仕組みって面白い」と感じ、国ごっこのほかに、会社ごっこや組織ごっこをして過ごしました。

そして、とある中高一貫校に入学しました。
その学校には、生徒会の機関の1つである「生徒議会」のメンバーとして「生徒議会議員」という役職がありました。中学校入学前に、国ごっこや会社ごっこをしていた私は、「議員」という響きに惹かれて、手を挙げました。

第1の気付き:「生徒会=民主主義…!」

そうして、生徒会活動に関わるようになりました。最初は、「面白そうだな〜😊」という心持ちでしたが、段々と魅了されました。
生徒会は何もしていない、そんな印象をお持ちの方は少なくないはずです。それでも、当時の僕は確信しました。

第1の気付き「生徒会の基盤にある民主主義って、とても意味のある営みなんじゃない?」

生徒会活動の基盤は民主主義です。もちろん、うまくいっていない学校もありますが、私自身は、「民主主義」という視点を持って、生徒会活動に没頭していきました。

第2、第3の気付き:「スタートアップする」と「統治の仕組みは変えられる」

他校の役員と議論をしたり、一緒にプロジェクトを進める機会もありました。私は「思いを一つにして、何かを始める(スタートアップする)」という考え方に気付きました。

第2の気付き「思いを一つにして、何かを始める(スタートアップする)」

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高1(2015年)前後には、「18歳選挙権実現を目指す運動」に出会いました。10歳も離れていない人たちが、国の法律を変えようとしている。衝撃を受けました。当時、私にとって国の法律や制度は「ごっこ遊び」として考えるもので、自分ごとでは全くなかったのです。

第3の気付き「統治の仕組み(国の法律や制度)も変えることができる」

中学・高校生活を通して、学内では、中学1年生で副会長に立候補した時に公約した「指定カバンへのリュックサック導入」を6年越しで実現したり、生徒会長の時には、公約していた会則改定なども形にしました。一人ひとりの声をかたちにして行く。その意味を体感していました。

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「全国高校生徒会大会」の実行委員長を務めたり、提言を文科省・校長会に行ったり、生徒会先進国と言うべきスウェーデン🇸🇪などを視察したりと、活動に没頭していました。

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18歳選挙権実現に続く流れとして、例えば被選挙権年齢の引き下げ、主権者教育推進についてのロビイングなどにも同時並行で取り組んでいました。

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(韓国・KBSに取材を受けた際の画像。画像中央が栗本)

第4の気付き:「テクノロジーの実装は統治を変える」

高3になっても「若者×民主主義」の分野で様々なことに取り組んでいました。そしてたまたま、エストニア🇪🇪に行く機会を得たのです。

エストニアはテクノロジーを使い、効率的で便利な行政サービスを提供する「電子政府」で知られています。私は、行政に関する興味から、エストニアについて詳しく調べました

まさに目から鱗の発想が数多くありました。電子市民権や、複数回投票の容認によるネット投票の導入などは、その代表例です。

第4の気付き「テクノロジーは、統治の仕組みも変える力がある」

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現地を訪問し、先進事例を展示するShowroomや、MEKTORY(タリン工科大学の産学官連携研究拠点)を視察したりする中で、技術が統治を変えるパワーがあるという確信は強まっていきました。

一方で、現地で出会ったチュニジアのテレビリポーターの言葉が印象強く残っています。

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「え?テクノロジーの活用は、日本が一番進んでいる国ではないのかい?SONYは日本の会社だろ?」

また、起業家支援拠点Lift99のスタッフは、真剣な眼差しで、つぶやきました。

この国(エストニア)は、私たちのような若い世代が一生懸命に動かないと、いつでも国がなくなってしまうのよ。

帰国し、大学に入学した直後、あるカンファレンスに登壇する機会(2018年5月)を得ました。同じく登壇者として、たまたまオードリー・タンさんもいらっしゃいました。g0vやオープンガバメントの取り組みをワーキングディナーやパネルディスカッションで伺い、確信を強めると同時に、疑問が生まれました。

技術を実装すれば、統治は変わる。そうすれば、民主主義もより発展する!(でも、日本でできるの?)

第5、第6の気付き:「既存の制度への無力感」と「プロトタイピング」

大学入学以降、自分のミッションが定まってきました。

「若者を含めた、より多くの人々が参画する、あたらしい民主主義の仕組みをかたちづくる」

前後しますが、18歳になって(2017年9月)から、一通りの選対事務には何度も関わりました。また、ロビイングには継続的に取り組んでいました。

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そして、YouTubeなどで制度や出来事を解説したり、ディスカッションをしたりしたりもしていました。

それでも、無力感は拭えませんでした。「あたらしい民主主義をかたちづくる」と言っても、既存の制度を変えていく道のりは見えていませんでした。それは、あまりにも巨大で、複雑でした。

第5の気付き「今の制度に対して、自分はあまりにも無力だなぁ」

そんな時に、ふと

第6の気付き「それなら自分であたらしい民主主義の仕組みをつくって、プロトタイピングすればいいんだ!」
※プロトタイピング:組みされたモデル・試作品(プロトタイプ)を使って検証や改善を繰り返す手法

と思い立ちます。2018年12月に、Liquitousのもととなるプロジェクトを立ち上げました。しかし、当時は全くの鳴かず飛ばず。翌年3月ごろには、事実上停止しました。

第7、第8の気付き:「実践、そして実装」と「公共の仕組みをつくる」

2019年夏には参議院選挙がありました。党派を超えていくつかの陣営のお手伝いもしましたし、YouTubeなどでの発信も積極的に行いました。選挙の後には、いくつかの立法に関わる機会などもいただきました。

そして、改めて既存の制度の限界を目の当たりにし、無力感を覚えることになりました。当時のFacebookの投稿では、こんなふうにぼやいていました。

対立を乗り越えて、新しい民主主義を切り拓くことを目指していたのではなかったのかな。やっぱり、残念。

同時に、「現状を憂い、滔々と語るだけではなく、実践して、社会に実装することを、出発点にしよう」と思いを新たにして、テクノロジーで、政府を『流動的に施策を展開する主体へと昇華』させる『Government as a Service』というコンセプトを構想しました。

そして、秋にはいよいよ、Liquitousを再起動させました。

第7の気付き「実践、そして実装が何よりも大切」

まず、会社のミッションを明確にしました。当時は、次のように言語化していました。

オンライン上の意思決定プラットフォームを公共として機能させることで、「一人ひとりの影響力が発揮できる社会」の実現に必要不可欠な『つながる公共』を構想していきたいと思います。

この頃から、「公共」を強く意識するようになりました。それまでは、"国の統治の仕組みとしての民主主義"が意識の中心でしたが、民主主義は国レベルのものだけではありません。

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自治体や"まち"など、『みんなにとって大切な物事:公共』が存在しています。Liquitousは、テクノロジーを使い、「公共について、参加型で対話・熟議する仕組み」をつくっていこう。

第8の気付き「テクノロジーで、公共に参画して、民主主義にもとづいて熟議する仕組みをつくって、社会に実装しよう」

当時の私は「10年くらいかけてやろう」とも考えながら、2020年2月に会社をスタートさせました。

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第9の気付き:「今こそ、スクラムを組んで民主主義のDXを」

会社立ち上げ直後に見舞われたコロナ禍は、「テクノロジー」にとても大きな力を与えました。何より、『行政デジタル化』は急務とされ、その後1年をかけて、デジタル庁が発足したことが、その代表例です。

しかし、行政サービスを支えるガバナンスは、コロナ禍でも変革される兆しがほとんどありませんでした。もう、10年後には、デジタルデバイドは社会的に克服され、digital-readyな社会がやってきます。

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民主主義の仕組みは、さまざまな人々を包摂し、安定して信頼性が十分あるものでなければいけません。だからこそ、私たちLiquitousは、パートナーである自治体や研究機関、企業やコミュニティなど、さまざまな皆さんと一緒に、今からスクラムを組んで民主主義のDXに取り組んでいきます。

私たちは、「テクノロジーで、公共に参画して、民主主義にもとづいて熟議する仕組みを社会に実装する」ことを民主主義のDXとして定義しました。
途方もない構想かもしれません。でも、私たちはできると確信していますし、今この瞬間も手を動かし続けています。

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ひとりで難しいことでも、みんなで一緒に取り組んだらできる。人類の歴史は、そう積み重ねられてきました。だから、私たちLiquitousは、スクラムを組みます。

第9の気付き:「今こそ、スクラムを組んで民主主義のDXを」

第10、第11…の気付きを「あなたに」与えていただきたいです!

今、Liquitousは、オンライン上の参加型合意形成プラットフォーム"Liqlid"の開発と社会実装に取り組んでいます。

社会実装、つまり、住民や関係人口など「人々」と、行政・議会をつなぐ「新しいかけ橋」として、Liquitousが開発するプラットフォームが社会実装されていく未来を構想しています。

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どんなに小さな一歩でも、未来に向けて積み重ねていきます。私たちLiquitousは、オンライン上の参加型合意形成プラットフォームのタッチアンドトライや実証実験、パートナー探しに取り組んでいます。

自治体や研究機関、企業などから、お問い合わせをいただいています。私たちLiquitousは、「テクノロジーで、公共に参画して、民主主義にもとづいて熟議する仕組みをつくって、社会に実装する」ために、どんなことでも取り組もう!と考えています。

ぜひ、Liqlidのタッチアンドトライや実証実験に参加してみませんか?Liquitousのパートナーとなって、一緒に民主主義のDXを進めませんか?次は、「あなたが」私たちLiquitousに気づきを与えてくださると、とても嬉しいです!

・第1の気付き「民主主義って、とても意味のある営みなんじゃない?」
・第2の気付き「思いを一つにして、何かを始める」
・第3の気付き「統治の仕組みを変えることができる」
・第4の気付き「テクノロジーは、統治の仕組みも変える力がある」
・第5の気付き「今の制度に対して、自分はあまりにも無力だなぁ」
・第6の気付き「自分であたらしい民主主義の仕組みをつくって、プロトタイピングすればいいんだ!」
・第7の気付き「実践、そして実装が何よりも大切」
・第8の気付き「テクノロジーで、公共に参画して、民主主義にもとづいて熟議する仕組みをつくって、社会に実装しよう」
・第9の気付き:「今こそ、スクラムを組んで民主主義のDXを」

執筆・文責:栗本拓幸(株式会社Liquitous 代表取締役CEO)