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【セミナーレポート】ステマ規制に関する注意点を振り返り!【保存版】

こんにちは、LIPS編集部です。令和5(2023)年10月1日より規制導入が本格化した景品表示法に関する取り組み。
多くの方には、”ステマ規制”の名目で浸透しているかもしれません。

今回は、9月26日(火)に実施されたウェビナー「消費者庁×LIPS 直前!ステマ規制理解セミナー〜全SNS共通!投稿時に押さえるべき3つのポイント〜」の、概要をまとめてご紹介。
すでに多くのSNSで話題に挙げていただいた本セミナーですが、この記事を保存版とし、今後の投稿活動の助けにしていただきたいです。

1、多くのユーザーにご参加いただいたステマ理解ウェビナー

LIPSではステマ規制導入前の9月26日(火)に、「消費者庁×LIPS 直前!ステマ規制理解セミナー〜全SNS共通!投稿時に押さえるべき3つのポイント〜」と題し、ユーザー参加型の無料ウェビナーを実施いたしました。

当初300名の抽選枠を設けていた本ウェビナーですが、応募開始から5分で数十名の連絡が入り、急遽枠を増やして実施。当日は、当初の枠を大きく越え約400名のユーザーさんに参加いただきました。

本ウェビナーは、景品表示法を取り扱う消費者庁表示対策課の岡田雄介氏とLIPSを運営するAppBrewのCTOである堀江が登壇。岡田氏からは、そもその”ステマ”とは?というところから、ステマに該当する基準とその事例、該当しない基準と事例の解説を、堀江から投稿時に押さえておくべき3つのポイントを紹介、解説させていただきました。


2、【第1部】ステルスマーケティング(ステマ)とは?

第1部では、消費者庁 表示対策課の岡田氏より、令和5年10月1日より規制の対象となったステルスマーケティング、いわゆる”ステマ”について解説をいただきました。

岡田氏:ステマのような消費者を騙す広告宣伝を規制をするのが景品表示法です。 昔であれば、消費者はチラシや新聞広告、テレビCMなどを見て商品を選んでいたと思うんです。ですが現状はSNSやインターネットで商品を選ぶことが非常に増え、消費者庁でも注視しています。

ウェビナーより

ステマは、事業者(メーカーや代理店など)から依頼されることが多く、昨年2022年に消費者庁が現役インフルエンサー300名にアンケート調査を実施したところ、約4割の方が広告主から"ステマ”を依頼されたことがあると回答。また「依頼されたことがある」と回答した方の中で、一部依頼を受けた、という方もいたことがわかりました

では実施に何がステマとなるのか、ならないのか。
その基準と事例をご紹介いただきました。

岡田氏:ひとつめに関して依頼がない場合であっても、例えば広告主さんからのメールの内容や報酬の内容、例えばサンプリングで商品もらっているなどですね。そういったいろんな状況を踏まえ、客観的に消費者庁が(広告宣伝であるかを)判断をしていきます。

明示的な指示、依頼がなくても(ステマに)該当する場合がありますので、こちら注意をしていただけたらなと思います。

また報酬については、何も金銭だけではありません。商品のサンプリングもそうですし、特別なイベントへの招待旅行代の負担なども含め、広く経済的利益という風に消費者庁では考えており、こちらも注意が必要です。

ふたつめとして、投稿を見た人が広告宣伝であることがわからないものは、ステマとして判断されます。「広告」や「PR」、「商品提供を受けています」のような文言が全く記載されていない、などですね。

また記載していても、その投稿を見た方が広告であることがわからないような不明瞭な形式で記載をしてる場合も、当然【広告とはわからないもの】として判断されます。

こちらの判断にあたっては、投稿内容全体から消費者庁では判断しています。特定の文言や写真だけではなく、その表示全体から消費者が分かるかどうかを、判断をしていくところになります。

ウェビナーより

つまり、広告主の依頼、指示(明示的にないものも含む)に従った内容で投稿をし、投稿を見た人が「広告とわからない」ものが、
"ステマ"と言えると解説いただきました。

ここで大事なことは、
広告主から依頼を受けること自体は違法ではないということです。

次に、ウェビナーではステマにならない基準を解説いただきました。

岡田氏:ひとつめは、投稿主の自主的な意思による投稿であるものはステマに該当しません。

客観的に自主的な意思に基づく投稿であると認められたものはステマとは判断されません。

ウェビナーより

具体的には
商品サンプル受け取るなど、投稿に関する指示や依頼があったとしても、
・投稿主が投稿「する」「しない」を選択し、
その上で投稿内容も自分で決めたもの
であれば、自主的な意思に基づくものと判断されることが高いといえます。

また、それらをどうやって客観的に判断するかといえば
・メールに広告主の指示、依頼があるのかどうか
・商品の提供や金銭など経済的利益があるかどうか
・広告主さんとのこれまでの取引の関係があったかどうか
・今後はその取引があるのかどうか

という観点を、消費者庁では確認されているとのことでした。

岡田氏:ふたつめは、あなたが広告主さんから指示・依頼を受けて内容を投稿したとしても、しっかりと広告であることがわかるようにしていただければ、当然こちらも問題ありません。

「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」 のように、消費者がわかるような形で広告であることを記載していただくことが重要です。

また、ハッシュタグだけではなく本文中で「広告主さんからこういう提供を受けて、私が投稿します」のような形でも、分かるようにしていただくことは非常に重要だと思っています。

ウェビナーより


今回の規制は、「広告宣伝依頼を受けることを禁止するようなものではなく、きちんと広告宣伝であることが分かるように明記すれば問題ないもの
そして「ユーザーの自由な投稿意思を妨げるものではないこと」を、
重ねて岡田さんの方から解説いただきました。


3、【第2部】投稿時に押さえておくべき3つのポイントとは?

第2部ではLIPSを運営するAppBrew CTO・堀江より、LIPSはもちろんInstagramやX(旧Twitter)など、あらゆるSNSで共通する、
投稿時に気をつけるべきポイントを紹介。

ポイントは、AppBrewも加盟する一般社団法人クチコミマーケティング協会(WOMJ)のガイドラインに則り、紹介・解説させていただきました。

■一般社団法人クチコミマーケティング協会:https://womj.jp/
■WOMJガイドライン:https://womj.jp/guideline/

3-1、【その1】4つのタグ、いずれかを使用する

堀江:投稿の際には「PR」 「プロモーション」「宣伝」「広告」、この4つのタグのいずれかをご使用いただくことを、LIPSでは推奨させていただきます。

ウェビナーより

3-2、【その2】誰からその商品をもらったのかを明記

堀江:2つ目に、誰からその商品をいただいたか、その提供元を明記することです。

「#PR」(もしくは「#プロモーション」「#宣伝」「#広告」)の後に、「#ブランド名」のタグを付ける必要があるのですが、2つを分けたタグとして投稿いただくと、提供元の方との関係性がわかりやすいですよね。この2つのタグを独立して、この順番で表記いただくと、広告宣伝であることがより明確に伝わり、安全という例としてご紹介をさせていただきます。

ウェビナーより

3-3、その1とその2を投稿時に分かりやすく表記する

堀江:最後に3点目。それらのハッシュタグを投稿を見る人にとって、分かりやすい位置にご表記いただく必要があります

ウェビナーより

この際、分かりやすい位置というのがカギとなります。

  • 上記3つのポイントはWOMJのガイドラインに則り、LIPSで推奨しているルールとなります

  • 上記を満たしていないものがステマに該当するということはでありません


さらにウェビナーでは、次見出しにあります各サービスでの投稿時のチェックポイントを解説させていただきました。


4、【サービス別】投稿時のチェックポイント

4-1、X(旧Twitter)

①4つのいずれかを使用している
・「#PR」 「#プロモーション」「#宣伝」「#広告」のいずれかを
 使用していますか?
②誰からその商品をもらったのか明記

・「#ブランド名」のハッシュタグを入れていますか?
・ブランド名のハッシュタグを独立していますか?
(NG例:#PR_ブランド名)
③ ①②を投稿時に分かりやすく表記する
・スクロールしなくてもいいところ、1ツイート目にハッシュタグを
 表記していますか?(NG例:リプライでのハッシュタグ追記)
・ハッシュタグ群の一番最初に「#PR」「#ブランド名」の記載がありますか?
・投稿を折りたたむ場合は「さらに表示」の前にハッシュタグを入れていますか?

4-2、Instagram

①4つのいずれかを使用している
・「#PR」 「#プロモーション」「#宣伝」「#広告」のいずれかを
 使用していますか?
②誰からその商品をもらったのか明記

・「#ブランド名」のハッシュタグを入れていますか?
・ブランド名のハッシュタグを独立していますか?
(NG例:#PR_ブランド名)
③ ①②を投稿時に分かりやすく表記する
・タイアップ投稿ラベルを利用していますか?
・ハッシュタグ群の一番最初に「#PR」「#ブランド名」の記載がありますか?

4-3、その他SNSについて

4つのいずれかを使用している
・「#PR」 「#プロモーション」「#宣伝」「#広告」のいずれかを
 使用していますか?
②誰からその商品をもらったのか明記

・「#ブランド名」のハッシュタグを入れていますか?
・ブランド名のハッシュタグを独立していますか?
(NG例:#PR_ブランド名)
③ ①②を投稿時に分かりやすく表記する
・タイアップ投稿ラベルを利用していますか?
・スクロールしなくてもいいところ、かつハッシュタグ群の一番最初に「#PR」「#ブランド名」の記載がありますか?

ポイントは、
「誰が見ても広告であるとわかるハッシュタグを使用」し
「誰からもらった商品か」を、
投稿を見る方がすぐわかる位置に、関係性を明示して表記すること
意識すること。

これまでも、上記を意識して投稿をされていたユーザーも多いのではないでしょうか。これからより一層、誰が見ても広告であることを分かりやすくしていくことが求められますので、ぜひこのチェックポイントを参考にしていただけましたら幸いです。


5、ユーザーからの事前質問に回答

ウェビナーの最後には、ユーザーから事前に募っていた質問に、
消費者庁・岡田氏よりご回答をいただきました。

多くの質問をいただきましたので、本記事ではいくつかピックアップしてご紹介いたします。

Q、ステマに加担した場合の個人の罰則について

岡田氏:ステマを投稿した個人に対しての罰則はございません。
あくまでも罰則を受けるのは、事業者である広告主となります。

ただ、消費者庁では「このような形で行政処分を実施しました」と公表させていただく際、違反した表示物も一緒に公表させていただいております。

ステマである判断された投稿は、個人情報はわからないよう加工を施しますが、消費者庁の行政処分の発表に載ってしまう可能性があることはご注意いただきたいです

ウェビナーより

Q、過去の投稿も規制の対象になるのか

岡田氏:過去にされた投稿であっても、令和5年10月1日以降に表示をされている、消費者が見れるような状態になっていれば、今回の規制の対象となってきます。

ウェビナーより

Q、ストーリーなど数時間で消えてしまうものでも記載が必要なのか

岡田氏:数時間で消えてしまうものであっても、記載は必要になってきます。消費者の目に入る表示である以上、景品表示法の規制対象です。

表示されるものが、1時間だろうが1分であろうが5分であろうが、それが表示される以上は、景品表示法の対象となります。
一瞬で消えてしまうものでも、2度と探せないかというと、そんなことはなく、例えばスクリーンショットなど保存してらっしゃる方もいる可能性があるためです。

ウェビナーより

6、最後に

本ウェビナーを通し、多くのユーザーにステマ規制に関する理解を深めていただくきっかけを提供できたのではと考えております。

ステマは、投稿を見た消費者にも投稿をしてしまったご自身にもさまざまな悪影響を及ぼします。

だからこそ、
「ステマは断る」「ステマには関わらない」ことがとても重要です。

事業者(メーカーや代理店)からステマの依頼を受けた場合や、ステマを発見した場合は、消費者庁への情報提供をお願いいたします。

■消費者庁 申告受付窓口

またLIPSでは、ステマ規制導入に伴いユーザー向けのコミュニティガイドラインの改定、メーカー様・代理店様向けの行動指針を新たに設けておりますので、そちらもあわせてご確認をお願いいたします。

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