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みんながつながり合える場所をつくりたい!そのために必要なこととは?

認定NPO法人Living in Peaceは2022年4月15日(金)、「にしなり★つながりの家」設立を目指すクラウドファンディング「「おかえり」でつながり合える地域の実家を!西成子ども食堂の挑戦」の協賛企画として、オンラインイベント第2弾を開催しました。

クラウドファンディングは、4月18日(月)に、総支援額19,790,000円と、当初の目標額12,000,000円を大きく上回る形で無事に終了することができました。ご支援・ご声援をくださった皆さま、本当にありがとうございました。

今回の記事では、イベント第2弾の様子を一部抜粋してお届けします!(イベント第1弾はこちら。よろしければご覧下さい!)

Living in Peaceは、2019年3月、「困難な家庭環境にある子どもの育ちを地域で支えるために何が必要か」を模索するなかで、本クラウドファンディングの主催者である川辺康子さんと出会いました。

大阪・西成で、子ども食堂を中心に、識字教室、家庭支援等を続けてきた川辺さんが考えていたこと。それは、断片的な支援を重ねることの限界と、子どもの生活を地域で丸ごと支えることの重要性、そしてそこにおける「つながり」の意味でした。

それ以来、Living in Peaceが川辺さんとともに実現を目指してきた「にしなり★つながりの家」は、既存の支援の枠組みを超えて、目の前の子どもたちが必要としていることを”やりきる”ための地域包括的支援拠点です。

今回のイベント第2弾は、「みんながつながり合える場所をつくりたい」をテーマに、様々な実践をされている4名のゲストが参加!

イベント前半では、登壇者それぞれからテーマにそってお話しいただきました。

【登壇者(50音順)】
荒井和樹さん(全国こども福祉センター)
川辺康子さん(西成チャイルド・ケア・センター)
久保樹里さん(花園大学)
高橋亜美さん(アフターケア相談所ゆずりは)

相談してくれる人とつくる居場所(高橋亜美さん)

高橋:社会的養護を巣立った人たちが、安心して「助けて」を言える場所を作りたいという思いから、2011年に「アフターケア相談所ゆずりは」を立ち上げました。 

現在は、自分の家で苦しい思いをして何とか生きて来た人からもたくさん相談をもらっています。

年齢も、10代から60代まで様々。支援の対象や支援のあり方を決めつけないことで、それぞれの人が「困った」、「苦しい」、「助けて」と言えるタイミングを尊重したいと思っています。

ゆずりはを始めたときは、支援者として、相談してくれた人たちを救わなきゃという思いがとても強かったです。

でも、相談してくれる人たちと出会う中で、楽しんで過ごす時間を一緒に共有しながら付き合うことの方が、自然だということに気が付きました。

今は、「安心」と「楽しい」を一緒に作る、一緒に過ごす、一緒に生きるということを大切にしています。

ただ一緒にいることの意味(荒井和樹さん)

荒井:2012年に、子どもや若者と一緒に繁華街で声かけ活動を行う、全国こども福祉センターを設立しました。

元々、児童養護施設の職員をやっていたのですが、働く中でジレンマを感じていました。

路上でいろいろな人に出会って、話を聞いていると、「保護」や「救済」の仕組みに傷つけられてしまっている人がいることに気が付きました。

児童福祉施設以外にもいろいろな集いのかたちが作れたらいいな、とくに路上に対話のできる場所ができたらいいなと思って活動しています。

街中で声をかけて何をしているかというと、出会った人たちと仲良くなろうとしています。

一緒に話すとか、食べるとか、あるいはただそばにいるということは実はすごい価値なんだけど、そういった場所が本当に少ないんです。 

ただ一緒に居てくれる人と出会える場所というのがとても重要じゃないかと思っています。

米国から取り入れる家族支援アプローチ(久保樹里さん)

久保:今は大学で教えていますが、もともと児童相談所のソーシャルワーカーを長年していました。 

現在、子どもの福祉の分野は、以前に比べると、いろんな仕組みが出来上がってきた感じがします。

しかし、大きな枠組みはあるのに間を埋めていく「接着剤」がないから、なかなかその中がつながっていかないというのを見てきました。

どうしていくとよいのか考える中で出会ったのが、米国の家族支援アプローチであるラップアラウンドで、今、日本に取り入れられないかと試行錯誤しています。

「ラップで包み込むように、子どもとその家族を地域で支える」という考え方で、ケアコーディネーターという司会進行役、家族に寄り添うファミリーパートナー、子どもに寄り添うユースパートナーという3人の人を要として、チームによるサポートをぐっといい形に持っていきます。

川辺さんの場合も、関わるお母さんの立場になって、その思いをずっと聞きこんでいく。だからお母さんの方も、じゃあ私しゃべってみようかな、言いたいこと伝えてみようかなという気持ちになる。

例えばそういう部分で、川辺さんはすでにラップアラウンドの、ファミリーパートナーの役割を果たしているのではないかと思っています。

「滞在型親子支援」が目指すもの(川辺康子さん)

川辺:子ども食堂を週2回、3時間やっています。

食堂に来ると、それまで「わーっ」と騒いでいた子が次第に落ち着いてくるけれど、またちょっとのきっかけでそれがぶり返すっていうことがあるんですね。

それはやっぱり、食堂を出て帰るお家の中が、依然としてまだしんどい状態のままだから。それが分かっているのなら、地域の私たちにできることがもっとあるんじゃないかと感じました。

私が、生活をともにしながら親子や子どもを支える滞在型親子支援の形は、それぞれの価値観を大切にしながら、みんなが一緒に居られる場所です。

そこを通じて関係性を作っていく中で、「今、私しんどいねん」っていう正直な気持ちだったり、ダメな部分であったりも出せる場所にしていきたいと思っています。

そして、私だけではなく、いろんな人たちがつながりをもって、子育てと子育ちを応援できるようにしていきたいです。

「つながり合える場所」をつくるために必要なこと

今回のイベントに登壇してくださった方々は、現場の第一線で活動されている方ばかり。そこでのご経験をふまえたお話の中には、「ただそばにいること」「時間をともにすること」の大切さについての実感が、共通してありました。

イベント後半では、さらに深く、「つながり合える場所」についてディスカッションを行いました。詳しくは後編記事をご覧ください!