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認定NPO法人Living in Peaceマガジン

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認定NPO法人Living in Peaceの、全noteを詰め込んだマガジンです!
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#社会的養護

お金のリテラシーを身につけてもらおう!【お金の教育事業紹介2/2】

Living in Peace(以下、LIP)こどもプロジェクトは2018年より、社会的養護下の子どもたちを対象とした「お金の教育事業」を行っています。 これは、さまざまなコンテンツの提供を通じて、子ども達に今後の人生に必要な「お金のリテラシー」を身に着けてもらうことを目的とした事業です。 後編の記事では、前編で紹介した課題解決に向けてLIPが取り組んでいる事業内容について紹介します! お金についての早期意識づけ講座(小中学生対象)前回の記事で解説した課題解決のため、お

「進学しづらく、退学しやすい」施設出身者の課題と解決策【お金の教育事業紹介1/2】

Living in Peace(以下、LIP)こどもプロジェクトは2018年より、社会的養護下の子どもたちを対象とした「お金の教育事業」を行っています。 これは、さまざまなコンテンツの提供を通じて、子ども達に今後の人生に必要な「お金のリテラシー」を身に着けてもらうことを目的とした事業です。 お金の教育を通じて、生まれ育った環境に左右されず、自由に生きるための選択肢を見せる。それが本事業の目指すところです。 そしてこれは LIPのミッションである「すべての人に、チャンスを

アニュアルレポート発刊記念対談! メンバーが語る「しごと=私のこと」

すべてのメンバーが仕事などの本分を別に持ちながら、互いの時間を持ち寄って活動しているNPO法人、Living in Peace。 メンバーそれぞれが「しごと=私のこと」とする人たちの力で、真に平等な機会のある社会の実現を目指して活動を行なっています。 今回は、2021年の活動報告をまとめた『アニュアルレポート2021』の発行を記念して、マイクロファイナンスプロジェクト、こどもプロジェクト、難民プロジェクトで活躍するメンバーが、それぞれの「しごと=私事」への想いを語りました

[監修協力]社会的養護についてわかりやすく解説するマンガが公開されました

「また虐待のニュース!最近多いなあ」 先日、(公財)ベネッセこども基金から、「虐待などにあった子どもたちがその後どのように処遇されるのか」「どのような課題を抱えやすいのか」などをわかりやすく解説するマンガ『「社会的養護」はじめの一歩』が公開されました。 本マンガにて、Living in Peaceの代表・中里も監修として協力しております。 問題の全体像について、包括的にわかりやすく説明されています。 虐待の個別のニュースを聞き胸を痛めている方は多いと思います。社会的養

子どもを主語に考える! 社会的養護の現在地 イベントレポート【藤野謙一×慎泰俊】

認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)は、2021年7月24日(土)に社会福祉法人「鳥取こども学園」理事である藤野謙一さんをお招きし、LIP創設者慎泰俊とのオンライン対談イベントを開催しました。 鳥取県で児童養護施設などを運営する「鳥取こども学園」は、前身から数え115年もの間、家庭で暮らせない子どもたちを、家庭に代わって養育してきた社会福祉法人です。 子どもの尊厳を大切にしたいという想いから、全国に先駆けて小舎制(少人数単位の家庭的な雰囲気で生活が

【無料】社会的養護の現在地 鳥取こども学園 × Living in Peace |7/24 20:00-

このたび、認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)は、社会福祉法人鳥取こども学園理事である藤野謙一氏をお招きし、LIP創設者慎泰俊とのオンライン対談イベントを開催いたします。 ■イベント概要テーマは、「社会的養護の現在地」です。 藤野氏は、日本における社会的養護のパイオニア的施設として知られる「鳥取こども学園」にて、副園長として長年社会的養護の最前線で活躍されてきた人物です。 一方、慎は昨年より厚生労働省が実施する「児童相談所の第三者評価に関する調査

反面教師から「こうなりたい」は出てこない

一年がまるごと「コロナ」に染まって過ぎ、この四月、新年度を迎えました。 本来「始まり」とは、とくに子どもにとっては晴れがましいはずのもの。それが今年はいつにない陰りを帯びているのではないでしょうか。 もちろんその一部は致し方ないものです。しかし、わたしはその陰りのかなりの部分を子どもを取り巻くわれわれが作り出している気がしてなりません。 端的に言うと、大人たち(そして、社会)は子どもの信頼をこの一年でどんどん失っていると感じます。 「反面教師」という言葉があります。け

【無料】児童養護施設の子どもたちを対象にした、キャリア教育プログラムのマニュアルを作成しました!

こんにちは! 認定NPO法人Living in Peace(以下LIP)です! LIPでは2011年より、児童養護施設で暮らす子どもたちを対象としたキャリア教育プログラム(「おしごとリップ」)を実施してまいりました。 そしてこの度、どのような方でも「おしごとリップ」をベースにしたキャリアプログラムを企画・運営できる状態をつくり、多くの方々の協力を得ながら世の中に広く展開していきたいという想いから、本プログラムの実施マニュアルを作成いたしました! マニュアルの共有をご希望

里親を通じた「地域で子育て」を実現したい! 全員本業持ちNPOと児童養護施設が協業して里親支援を行う理由

日本には現在、親からの虐待や経済的困窮など、さまざまな事情により実の親と離れて暮らす子どもが約45,000人存在します。そうした子どもたちを家庭で預かり、育てるための制度が「里親制度」です。 海外と比較して普及率が低いことを受け、現在日本政府が啓発に力を注いでいる里親制度。そうしたなか、2020年8月、東京都世田谷区の里親普及啓発サイト「SETA-OYA」が公開されました。 Living in Peaceは、サイトを運営している世田谷区の児童養護施設・東京育成園にアドバイ

Living in Peace創設13周年によせて 共同代表 中里晋三より

10月28日にLiving in Peaceは創設13周年を迎えます。 人間で13歳というと、「〇歳からの~」という本の多くがこの年代を対象とするように、来たるべき変化の予兆を感じつつ、新たな可能性を模索しようとする時期でしょうか。私たちもまた自らがそうしたステージにいることを自認し、新たな展開を模索しています。 2020年という、当初誰も予想しえなかった仕方で社会が大激変を蒙り、決して忘れられない年となった本年、多くの方に支えていただくなかで、私たちは幸いにもより大きな

虐待防止にも必要な視点? マンガ『コウノドリ』で「産後うつ」について考える

ドラマ化で人気を博した産科医療マンガ『コウノドリ』(鈴ノ木コウ 講談社)。毎ページ「妊産婦あるある」にひたすら共感してしまうのですが、子どもの支援を考える視点でも学びがたくさんあります。 全編は語り尽くせないので、今回の記事では、8巻「TRACK24 マタニティーブルー」について取りあげます。 ▼この子のコトがカワイイって思えないこの回は、シングルマザーによる虐待死ニュースで幕を開けます。複数の妊産婦さんのストーリーが平行して進んでいくのですが、中心になるのは産後1カ月の

精神的幸福度がほぼ最下位 日本の子どもの幸福度について、いま問うならば

例年より一足早く学校が再開し、十分に夏を満喫できなかった子どもたちは残念でならなかったでしょう。 ただでさえ限られた子ども時代を、乳児から青年までかけぬける子どもにとって、失われた「ひと夏」は二度と取り返せないものかもしれません。 8月下旬、炎天下をマスクして登下校する子どもたちを見かけるたびに、この不確実な状況だからこそ、人生を歩み始めた人々にいかに寄り添えるかが問われると感じました。 そんなおり、9月の初旬にUNICEFから『レポートカード16』という、先進国の子ど

「つながりの回復」を目指して。母子生活支援施設の退所世帯にギフトをお贈りしました!

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、社会の様々な場所で多様な困りごとが発生しています。とくに生活困窮世帯への影響が大きいことは、テレビなどで報じられている通りです。親の負担増が虐待等、子どもへの不適切な関わりにつながりやすいことも知られています。 そこでLiving in Peaceは、そうした生活困窮世帯の経済的困難・精神的孤立を改善すべく、「母子生活支援施設を退所した世帯」を対象に、食料品や家事代行サービスなどのギフトをお贈りしました。 ◆母子生活支援施設とは?母

「やさしさ」について思うこと

出不精のわたしですが、たまに遠出すると思わぬ機会にめぐり合うことがあります。 あるとき不慣れな電車に飛び乗ると、 「恋は下心で愛は真心ね。で、人の真心って、つまり優しさのことだよ」 と、その土地の高校生が友人に諭している(?)場面に出くわし、ひそやかな感動を覚えました。 それは、漢字の成り立ちを用いた説明のたくみさというより、それまでうまく飲み込めずにいた「やさしさ」という言葉がこれ以上ない明快さで、ストンと了解されたことの驚きでした。 わたしにとって「やさしさ」と