エスカレートしてしまった子供時代の遊び
私は子供の頃から
イベントを企画するのが大好きでした
思い出していくとキリが無いのですが
小学校 低学年の頃から
「丼ぶり一杯分のプリンを 作って1人で食べてみたくないか!!」という企画を
何故か そろばん塾の先生に交渉して
教室を借りてプリンパーティをしたり
「イチゴ狩り大会」と称して 友達を集めて
よそ様の畑のイチゴを勝手に食べ尽くしたり
(勿論その後 お灸を据えられます😅)
「UFOを呼ぶ会」を発足してみたり
私なりに ワクワクする事を繰り広げていたのですが
そんな ある日、私は また新たな
「お楽しみ企画」を思い付きました💡
それは
「 隣の集落にある 母親の実家に友達を招きたい🎵」というもの
母の実家は 大きな古民家で
そこには 祖母である「 貞子ばぁちゃん」が
1人で暮らしていました
私達が遊びに行くと いつも お菓子やジュース
果物などを 多くさん振る舞ってくれて
そして更に おねだりをして
昔話をして貰うのです
それが もう 楽しくて楽しくて🎵
「友達を連れて来たら、皆んな喜ぶだろうな~」と日々 思うようになりました
広い古民家で一人暮らしの 貞子ばぁちゃん
夫である
「ケンジじいちゃん」は
初孫である私が生まれて 3か月目に
脳卒中で 突然 この世を去りました
そんな事情で 1人になった貞子ばぁちゃんは
お昼はパートに出ていた為、日中は不在✋️
よって 皆んなを招いての
この「お楽しみ企画」は 実質 不可能な為
完全に お蔵入り と なっていたのです
と、ここまで説明させて頂きましたが
実は 今回の主役は なんと!
遺影でしか 存在を知らない
この「ケンジじいちゃん」なのです
私は この 生前の記憶が一切無い
「ケンジじぃちゃん」に
腰が抜けるくらいの きつい お叱りを受けた
という実話です
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生前の ケンジじいちゃんは
周囲から「仏さんの様な人や」と言われるくらい 優しい人柄だったそうで
実際 娘である母でさえ
「怒ったところを一度も見た事が無い」と
言う位ですから 相当 温厚な人物だったのでしょう
そんな「ケンジじいちゃん」を
怒らせてしまったワタシ……
子供だったとは言え
猛省の極みでございます…… 🙇🙇🙇💦💦
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ある日
私は いつものように学校が終わり
家にランドセルを置くと
その足で すぐに 集合場所の公園へと向かいました
もう一分一秒 早く遊びたい!ε=┌(・∀・)┘
が、しかし 公園に着いた私は固まってしまいました
なんと そこには大の苦手な
上級生の ヤンチャ軍団が先に陣取っていたのです
「これはヤバい💧この場は すぐに撤収だ」
と、しつつも
私は その時 ピン💡と来たのです
そして ずっと抱いていた
例のお楽しみ企画が 頭をよぎり
「皆んな~!ここより もっと楽しい所があるから、そこへ行こっ!」
と、遂に私は 大人には 内緒で
貞子ばぁちゃん家の 裏の 勝手口から
こっそり鍵を開け
友達5~6人 を入れてしまったのでした
「さぁ~!皆んな!ど~ぞ~!」と
いつも貞子ばぁちゃんが出してくれる戸棚から お菓子や果物を出し
「好きなの飲んでいいよ~!」と
冷蔵庫を開け、勝手に大盤振る舞い💨
「わぁ~!これ 食べていいの~?😆
あれも飲んでいいの~?😆」と
皆んな 大興奮
ここは 大人の「NO!」が無い
なんでも🆗の「子供天国」
よって その日は 皆んなで 散々 飲み食いし
大いに 楽しんで 帰ったのでした
そして あろうことか
その後も あまりの楽しさに
私は なんの悪びれも無く
「子供天国」を 続けてしまったのです
すると ある日 母親から
「あんた、貞子ばぁちゃんが 居ないのに
勝手に 家に入ったやろ!近所の人から通報があったよ!もう絶対したらアカンよ!」
とキツく 注意を受けました
「はい …… ごめんなさい」
と 謝ったのですが…にも関わらず
まだ 辞めなかったワタシ💦
「子ども天国」という名の
不法侵入を続けてしまったのです
気付けば 出入りする人数は
下級生達も含め 10~数人にも膨れあがり
最高潮に盛り上がっていました
そして 調子に乗っていた そんな ある日
遂に あの 出来事が起こったのです
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その日も 私は
楽しい楽しい「子供天国」を開催!
学校が終わると 貞子ばぁちゃんの古民家には
たくさんの小学生が 集まりました
そして 恒例の ドンチャン騒ぎ 💃
はしゃぎまくりです💃
皆んな ジュースや お菓子を片手に
広い部屋の中をキャッキャ言いながら
走り回っていた、その時…
突然 家中から
「うぉぉ~っ…」という 大人の男性の
低い唸り声が 地鳴りのように響き渡り
同時に 部屋中の 障子や扉、テーブル、椅子
すべての物が ガタガタと 物凄い 音を立てて
揺れ始めたのです
「キャャーッ❗❗」と口々に
叫び声をあげながら
私達は外へ逃げようとするのですが
恐怖のあまり 全員が腰を抜かしてしまい
立ち上がれないのです
もうパニック状態😱
「子供天国」だった空間が
一気に 地獄絵図に なった瞬間でした
皆んな 泣き叫びながら
なんとかかんとか 這うようにして脱出し
そのまま 散り散りに 家へと逃げ帰って行きました
まさに命からがらの脱出でした
無論、それっきり二度と再び
「子供天国」を開催する事は無く
それどころか
あの時の恐怖が あまりにも強過ぎたのか
誰も この事には一言も触れず
まるで何事も無かったかのように封印され
記憶は日常に消えていきました
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月日は流れ 高校生になった ある日
私は妹との 何気ない会話の流れから
フッと あの事を思い出しました
口に出すのは 少し躊躇しましたが
さり気ない振りで 妹に 訊ねてみました
私「あのさ~昔、貞子ばあちゃん家で なんか よく分からんけど めちゃくちゃ怖い事
あったの覚えてる?」
妹「覚えてるよ~!皆んな泣きながら帰ったよ
な~」
私「あ~っ!やっぱ覚えてた?なんかさ…
男の人の唸り声してたよな?」
妹「えっ?あれ ケンジじいちゃんやで!
天井に じぃちゃんの顔写ってて
めちゃくちゃ 怒ってたやん!
えっ?もしかしてお姉ちゃん…
分かってなかったん?」
と、呆れビックリされましたが
あの状況で そんなところまで 把握できていた妹にビックリですよ~😓
そして なにより 怒った姿を見た事が無い、
と言われる程の人物だった
ケンジじいちゃんを怒らせてしまった訳で…
「さすがの じぃちゃんも 私の悪事を見るに見かねたんやろな~」と私が呟くと
呟いた その瞬間
妹と私は まさに同時にピンときました
そして 顔を見合わせ 言ったのです
「あれを あのまま続けてたら
いずれ確実に火を出してた…!」と
そう、間違いなく 子供の火遊びにまで
エスカレートし、火事を起こしてただろうと、直感的に確信したのです
「そっか、じぃちゃんは鬼になって
くい止めてくれたんや…」
私と妹は お互い みるみる涙が溢れ出しました
「じぃちゃん、ごめんなさい
そして本当に 本当に ありがとう…」
それは「恐い体験」から「感謝の体験」へと
書き変わった瞬間でした✨️
今回 こうやって 書き起こすことで
また ご先祖様に思いを馳せる きっかけになりました🙇感謝🍀
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