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フリーランスのアルバイトの勧め

フリーランス通訳5年目になりますが、フリーランスとしてお仕事をする傍ら、未だにアルバイトを続けています。

アルバイトを始めたきっかけは、フリーランスになって間もなくコロナが始まり、生活に困窮していたこと。

当時は、2つのアルバイトを掛け持ちしても、通訳での稼ぎと合わせて月15万円稼ぐのがやっと。貯金も底をつき、生活も、気持ち的な余裕も全くありませんでした。

2022年頃からようやく光が見え、毎月最低でも50万円以上、良い時は100万円以上の収入を得られるようになりました。

フリーランスのアルバイト事情については、こちらの記事でも紹介していますが、自身がよっぽど能力があるか、アルバイト先がよっぽど理解がなければ、続けることはなかなか難しいと思います。

そして2024年現在、今でもアルバイトを続けています。
さすがに掛け持ちは辞め、月1~4回という、普通は店から、もっと出勤してほしい!と言われそうな出勤日数ですが、それでも細く長く続けています。

たまにしか行かないのに、気が付いたらアルバイト全体で2番目に長い在籍期間となっていました。

有難いことに、たまにシフトに入れる日があると『本業もあるのにいつもありがとう』と感謝され、飲食店でのアルバイトですが、混む日でも『ベテランだから』と任され、何なら新人教育を担うことすらあります。

月に片手ほどの回数も来ないのに、本当に有難いことです。

ライフステージが変わるなどしない限り、しばらくのところは辞める予定はありません。

正直、フリーランス通訳・翻訳だけでも十分な収入が得られていますし、金銭的な理由から、アルバイトする必要は全くないのです。

『なんでまだバイト続けてるの?』
『もうバイトする必要ないでしょう』

と、周りから本当によく聞かれます。

稼ぎも安定しているのに、30代独身女性で、飲食店でアルバイトしているなんて。

しかも、若者が休みがちなクリスマスやお正月などのイベント時期は、とくによくヘルプとして出勤しています(笑)

私がアルバイトを続けているのは、アルバイトをすることにいくつかのメリットを感じているからなのです。

個人で仕事をする機会の多いフリーランスにこそ、是非アルバイトをしてみることをおすすめします。

アルバイトのメリット

幅広い年代の方と話す機会

私の勤務する飲食店は、県内で数店舗展開する名の知れた飲食店です。
従業員は、社員とアルバイトの割合は、ちょうど半々くらいだと思います。

勤務を通して、社員はもちろん、アルバイトの皆さんと話す機会がたくさんあります。仕事のことだけではなく、仕事の合間に軽くお喋りをすることも。

従業員の年齢幅は、15歳~60歳まで、非常に幅広いです。
自分より年上の方は、私に話しかけてくれることもありますが、アルバイトの学生さんたちは、正直、知ってはいるけど、たまにしか来ない私と何を話していいかわからない、そう感じている方が多いように思います。

最初は私も、学生と何話して良いかわからない、仕事さえちゃんとしてくれればいいや、と思っていましたが、やはり普段からコミュニケーションをとれていてこそ、円滑に仕事ができるというもの。できる限り学生さんたちとも、仕事の合間にコミュニケーションをとるようにしています。

30代でフリーランスとしてお仕事をしていて、学生さんとお話できる機会なんて滅多にありません。

最初の頃は何を話して良いかわからず『学校はどう?』なんて、いかにも会話に困った大人のようなことしか聞けませんでしたが、今では、学校や、就職活動のトレンドなど、普段お仕事をしていたら知り得ないようなことまで、色々話してくれたり、また相談してもらう機会も増えました。

年齢が離れすぎていて、何を話したら良いかわからない、ではダメなのです。自分自身が、誰とでも話ができるような沢山の話題の引き出しを持っていなくては。

幅広い年代の方と話すことで、自分自身のコミュニケーション能力や、普段は知り得ない情報を知ることができます。


瞬時の判断能力を鍛えられる


飲食店で勤務していると、お席へのご案内、オーダー、ドリンク作りや配膳、キッチンとの連携、そしてお会計など、同時進行で様々な業務を行います。

また、複数いるアルバイトに対し、適格な指示を出して、円滑に店舗営業を進めていかなくてはなりません。

その時々に応じた、適格な指示、行動をするために、とっさの判断能力が必要です。

最初の頃は、『アルバイトだし言われたことだけやればいいや』なんていう気持ちも、正直ありました。

正直、フリーランスとして個人で仕事をしていると、そういったとっさの判断能力が影響する場面というのは、ほとんどないかもしれません。

集団で仕事をしていないと、そういった判断能力は、確実に鈍ります。
私自身、実感として、アルバイトを始めた当時、判断ミスをよく指摘されました。

最初の頃は、前職では、組織で常に緊張感を持って判断したり対応したりしていたので、私の判断が間違っているなんて、それこそおかしいと、変なプライドを持っていたこともありました(笑)

瞬時の判断能力は、使わなければ鈍ります。
アルバイトは、それを鍛えることができる良いトレーニングなのです。


お客様の喜ぶ姿を見られる


様々なフリーランスの形態があるかと思いますが、納品の形式にもよりますが、エンドユーザー、つまりお客様の直接の反応を見る機会というのは、なかなかありません。

私は通訳として、実際にお客様と対峙することはあっても、その通訳についての正直な評価や感想というのは、なかなか聞くことはありません。

その点、飲食店にいらっしゃるお客様の反応は、とても正直です。
対応を喜んで賛辞を述べていただくこともあれば、サービスに不満を感じ厳しい言葉をいただくこともあります。

できるだけお客様に喜んでいただけるよう、忙しい時でも常に心には余裕を持って仕事をするようにしていますが、実際に『来てよかった』『〇〇さんの接客が素晴らしい』『必ずまた来ます』などと声をかけていただけると、とても嬉しいものです。

フリーランスのお仕事では、直接このようなお褒めの言葉をいただけることはなかなかありません。

企業の経営・運営や組織の在り方を学べる


私が働く飲食店は、県内で複数店舗展開を行っており、私の所属する店舗はなかでも売上額が非常に高い一店舗です。

社長とは面識がありますし、多店舗の社員の皆様とも交流があります。

店舗の拡充、拡大に向け、ここ数年様々な取り組みを行っていることを知っています。
また、そのために普段の業務を変更したり、価格改定をおこなったり、仕入先とのやりとりなど様々なことを行っているようです。

私も流石に4年近く在籍していますから、日々の売上や予約数、リピート数、メニューの変遷、そしてアルバイトの時給の変更や社員教育について、なんとなく把握しています。

私は社員でもなければ、毎日のように出勤するフリーターでもなく、且つ社会人経験があるため、組織の取り組みを第三者目線として見るのが、とても興味深く、面白いのです。

時には、アルバイトや社員の意見をアンケート形式で求められることがあります。その時には、文字通り“自由闊達”に、正直な意見をぶつけます。
ここはいいと思うが、これはそうすべきではない。なぜなら・・・という具合で。

それに対する返答や、組織としての考えを聞くのも、私にとってはまた一興なのです。半分面白がりながら、組織としての在り方を、勉強させてもらっています。

フリーランスこそ、アルバイトをすべき


社会人になってからのアルバイトなんて、なんだか食いっぱぐれているようで、やりたくない、普通はそう思うかもしれません。

しかし、フリーランスこそ、アルバイトで学べることがたくさんあります。

他にも、どうやって新人さんに効率よく楽しくお仕事を覚えてもらえるか、どう指摘したら気分を損ねず改善してもらえるか、はたまた、自分のアンガーマネジメントだって改善することができるのです。

今日は、私もここが良くなかったな、こう言えば良かったかな、なんて、自分の仕事ぶりを省みることだってあります。

たかがアルバイト、されどアルバイト。
アルバイトから学べることはたくさんあるのです。

とはいえ、月に給料が5000円ほどの時もあり、経理担当の方には、全然働いてないのに手間を増やしてしまい申し訳なく感じることもありますが(;^ω^)

いいんじゃないでしょうか。
風の時代、多様性の時代。

そんな言葉でうまくまとめちゃいましょう。


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