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「親子」という別の人間

私は、実の両親のことを好きだが尊敬は出来ない。

基本的に2人ともお金に対してだらしがない。
だらしがないと言っても金遣いが荒いというわけではなく、支払い関係の期限を守らなかったり誤魔化したり、そういうタイプのだらしのなさだ。

小学生の頃、お金がない訳ではないのに給食費の未納で何度もプリントを先生から受け取ったことを覚えている。
子供ながらに、これはきっと恥ずかしいことだ…と思い、いつも隠すようにランドセルにしまっていた。

だからこそ、私は娘の支払い関係は期限厳守!
書類なども必ずきっちり出すようにしている。

うちの両親は離婚をしていて、今父は1人で年金暮らし。
そんなに余裕があるわけではないはずなのに、娘の誕生日やクリスマスには必ずおもちゃをプレゼントしてくれる。
娘もそんな優しいじいじが大好き。

だが、お人好しな性格故昔は知人にお金を貸してしまい借金を作ったりで大変だったようだ(母親談)。
それでも父は私のことをとにかく愛してくれていた。
習い事の送り迎えはどんなに疲れててもしてくれたし、母と離婚した後もよく私は父の家に遊びに行ってたし。
母が家に彼氏を連れて来て、10代で精神面不安定だった私を支えてくれたのも父だ。

母は再婚し専業主婦で、その再婚相手に負んぶに抱っこ状態。
滞納していた年金を払ってもらったり、金銭面相手に負担かけまくって…それって引け目感じないの?
今や60代70代でも元気に働いてる時代。
そろそろまた働いたほうがいいのでは?と私は思っているのだが、本人は嫌そうだ。
こういうところも私はあまり好きじゃない。
性格も正直嫌い。
物を知らないくせに強気、自分が正しいと思い込んでいる、固定概念が強い。
絶対友達になりたくないタイプ。

だが母は、今や私の娘の第二の母状態。
とにかく孫ラブ。
私が仕事で忙しい時は、私の代わりに娘をいろんなところに連れてってくれるし、美味しい料理も作ってくれる。
自分に優しくされるよりも、娘に優しくしてくれることがありがたい。

一時期親のことが理解できなくて悩んだ時期がある。
両親のようになりたくない。
父のことも母のことも尊敬出来ない。
親子なのに親が嫌いって有り得ない!?って。

でも自分がどんどん歳を取っていくにつれて気付く。
親とはいえ、両親は自分と全く別の人間だ。
嫌ってもいいし尊敬出来なくてもいい。

ただ自分を不自由なく育ててくれただけでもうそれは親として立派なんだと、それだけは認めなければならないと思った。

それからは親子関係において悩むことは無くなった。
理解できなくても当たり前。別の人間だもん。

初めて旦那の実家に一緒に帰省した時、あまりにも理想的な家族で感動した。
おっちょこちょいのかわいいお母さんと、無口だけどしっかり者のお父さん。
その2人が私を優しく迎え入れてくれて、この人たちと家族になれるんだ、と嬉しくて帰る時寂しくて号泣してしまった(笑)

だけど実はそのお父さんも昔蒸発歴有り…
お父さんが見つかって家族関係を再構築するまで、簡単だったのか困難だったのかは未だに聞けていない。

そんな旦那の実家に今回私は1人で帰省して来た。
今まさに東京へ帰る夜行バスの中。

友人に、1人で旦那の実家に帰省することを言うと大抵驚かれる(笑)信じらんない!って。

義両親はもう60代後半だが、生活のために2人で力を合わせて頑張って働いている。
うちの両親と真逆。
人間性も尊敬できるところがたくさんあって大好きな人たちだ。
以前は帰省する度あちこちいろんな観光名所に連れてってもらったり、美味しいものを食べさせてもらったりしていたが、最近はほとんど家でゴロゴロしているだけ。
今回も義母さんとずっとドラマ見ながらコーヒー飲んでただけ(笑)
それでも本当に有意義な時間だった!

人間関係は難しい。
友人、仕事、夫婦、そして親子も類に漏れず。

1番言いたいことは、「親子だから」というフィルターは最初から取っ払っておいた方がいい。
親子だから無理して親の考えに同意することは絶対に違うし、親子だから自分の考えを全て分かってくれていると思い込むのも違う。

親子だって別の人間。
脳内が同じデバイスで同期されてるわけではない(笑)

そして血が繋がってなくてもこんなに可愛がってもらえるケースもある。

親が死ぬまで、親子の人間関係は続くもの。

幸い今は実の親とも義理の親とも上手くいってる。

どうかこのまま…
最後まで波風立たない状態のまま親たちには逝ってほしい。

真っ暗で静かな夜行バスに揺られながら、そう先のことを思う。

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