日比乃ライオのロボットアニメレビュー「ターンAガンダムI 地球光/Ⅱ月光蝶」
どーも、日比乃ライオです。
今回はガンダムシリーズ屈指の奇作、ターンAガンダムの劇場版についてレビュー致します。
何で劇場版やねんてとこですが20年くらい前にテレビシリーズ見続けて、ギンガナムとの戦いが1番面白いと言われてたのにギンガナムが出てくる直前で視聴をやめた過去があるからです。
なんか乗れなかったんですよね。
デザインから設定からストーリーから何から何まで「こんなのガンダムじゃねえ!!」って言うポケモンのタケシのような叫びを上げてしまってどうしても受け入れられませんでした。
時を経て、まあもうそういうのどうでもいいか笑となったのでいざ視聴となりました。
いやこの作品、素晴らしいですね。
ガンダム抜きに、ロボットアニメ抜きに富野作品抜きに見て素晴らしく、それでいてガンダムでありロボットアニメであり富野作品でもあるとは。
2000年代アニメ特有のモッサリ感を余韻やタメに昇華出来てるのも流石は往年の名監督の為せる技というところでしょうか。
デザインについても、これはプラモを見て分かったことですが立体造形で見るとターンAは素晴らしくヒロイックだし昭和のロボットにある無骨さも最新のスタイリッシュさも感じられます。
で肝心の内容ですが、テレビ版をシームレスにまとめてて見やすかったです。しかしながらテレビ版ですごいモヤモヤしたギャバンが核で死ぬ所は改変が入ってなかったので、ガッカリしつつもこれはこれということで。
思惑と野心でドロドロギトギトの大人たちに対して正義感や良識で真っ直ぐに生きようとするロランや若者という、富野作品ではあまり顕在化しない主人公サイドの清廉潔白さがハッキリ感じられるのも富野作品としては珍しくまたそこが良かったりします。と、書いたところでキングゲイナーもレコンギスタもそんな感じありますかね。近年の富野作品はそんななのかもしれません。
やはり本作品で語るべきはギンガナムですな。
登場以来御大将と呼ばれ語り草になるだけのことはありますこれは。突き抜けた野心家、武人。作中での役割が固定化される主人公と相対して自由闊達に動き回る姿には爽快感すら感じさせます。そんな敵役をヒロイズムで飲み込めるかが作品の肝なんですが、そこはロランのディアナやムーン・レイスへの想いが勝る形となりました。刀で戦ったことがないのに武人と一騎打ちも辞さない、このロランの真っ直ぐさも畏怖すら感じさせるものですよね。ロランもまた、ギンガナム並みの狂信者な訳です。要は見せ方というとこでしょうか。
ラストシーンはこれ、テレビ版にないとこなんですかね、ロランと共にいるのがディアナで月に帰ったのがキエルなんでしょうか。かつて入れ替わった時に感じた市井を生きる心地よさを選んだのでしょうか。にしては山奥っぽいとこで過ごしてますけど。非常に余韻を残すラストですね。(この後死ぬほど検索して考察探るけど)
さていつものレビュー評価です。
マックス⭐️5つです。
ガンダム度
⭐️⭐️(ガンダムが平和の決め手に貢献してる)
世界名作劇場度
⭐️⭐️⭐️(いや服装と家と家具だけだろ)
ロボットアニメ度
⭐️⭐️⭐️⭐️(ラストは往年のガンダムバトル、そこ以外はパトレイバー寄りのリアル路線)
ローラ・ローラ度
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
以上となります。
ではまた、次のロボットアニメレビューでお会いしましょうー!