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Around 30 vol.2

行きつけの立ち飲み屋に通い始めたすぐ後、私はあれよあれよという間に環境が変わり始めた。

それまで契約社員だったのだが、部署がなくなる危機で滑りこみで推薦してもらい正社員登用試験を受けた。
だいぶ勉強する時間もあり数学が苦手だった私は弟に家庭教師をつけてもらいつつ万全に備えていたのだけど、試験当日に体調不良の極みのようなめまいと吐き気と貧血という症状が出て設問の解答を一列書き間違えたらしく華麗に落ちてしまった。
契約終了=クビという最悪な結末。
あんなに勉強したというのになぜ…というように当時は地の底まで落ちたけど、今思えば神様が「あなたがいくべき道はそっちじゃないのよ」って強制終了してくれた気がした。

その後、あれよあれよと次の職場が決まり翌月には外資系の大手ゲーム会社に転職していた。
それまで居た大手ゲーム会社に入社してやりたいことができた環境だったから本当は辞めたくなかった。そして恩師である彼氏だった上司は強制的に入院されたままだったけど、こうやって人生にはリセットする時期が必ずあるんだなと妙に納得したものだ。

それと、転職する前に1週間だけ有休消化をしたのだが、あまりに展開が早すぎて仕事の残業務や転職活動などハードスケジュールすぎたせいで、一週間点滴レベルで寝込んでいた。

転職後にも立ち飲み屋にも週1〜2ほど通い、常連客とも仲良くなって毎日が楽しくなり始めていた。

会社を辞めてから気づいたこと。
そうだ、わたしいる間毎月病院通っていたなぁ…と。
ストレスを感じない日はなかったからメンタル以外のどこかしら調子とタイミングが悪かった。ついでに会社の殺伐とした空気もとても悪かった。
私は姫系とお局などの自分が一番と思っている女子からとても嫌われやすかった。
天然系なキャラクターと話しかけられやすい雰囲気や性格的にも男と話す方が気が楽だたからか、妬みや嫉みなどの対象にされやすくそういう女子にはとても気を遣っていた。

あー…私、とてもとても無理していたんだな。

その環境を離れた途端に具合も顔色も良くなり笑顔が増えていった。

今思えば、自分が持つHSPの気質とエンパスの能力に気づいていなかったこともあり、周りの人の気持ちが手にとるようにわかってしまうため心の中で思っていることと目の前で会話されてる内容が全く違うという本音と建前の嵐に吹かれたり、ただ若いというだけでお局から嫌味を言われ続けても気にしないようにするなどしていたが限界だったんだと心底実感した。

そして彼氏の体調を気遣う毎日がとどめになりそうだった前に、その環境から脱出できて本当に良かったんだと今は思える。

しかし、なんて生きづらい体なのだろうか…!
でも、その時は全くそうは感じてなく辛い環境の中でもデザイン仕事に集中することで私のストレスは癒やされていた。

私には弟が2人いるのだが、下の弟はパッとみ10離れておりバリバリ社会人やってる頃に弟がちょうど進路を決める時期になっていた頃にこんなことを言われた。

「ねぇちゃんはすげぇよな。やりたいことが早めに見つかって。真面目にラッキーガールだと思う」

確かに…!
私も常にそう思ってる。

辛い境遇に遭いがちで生きてきたけど、なんだかんだやりたいことはやれてるのだ。
あとなぜかくじ運が良い。

こうやって環境が変わる前は、色々と悪いことが起こりがちだけど嵐が過ぎ去った後に拓けた場所は心地良い風が吹いていた。


そして、私は新しい恋をし始めていた。



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