血中ビタミンDが高いほど高血圧になりにくい
本日は、ビタミンDが足りている人は高血圧になりにくいという発表がありましたのでご紹介いたします。
▶論文概要
成人における血清ビタミンD値と高血圧（HTN）および高血圧予備軍との関連について評価した。
前向き研究において、血清ビタミンDが高値の参加者は、低値と比較して高血圧のリスクが16％減少した（RR: 0.84; 95%CI: 0.73, 0.96; 12エフェクトサイズ）。
前向き研究における用量反応解析では、血清ビタミンD濃度が25 nmol/L増加するごとに、高血圧のリスクが5％減少することが明らかになった（RR: 0.95; 95% CI: 0.90, 1.00）。
また、血清ビタミンD濃度とHTNとの間には有意な非線形関係が認められた（Pnonlinearity < 0.001）。
▶論文情報
Serum Vitamin D Levels in Relation to Hypertension and Pre-hypertension in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Epidemiologic Studies
（イラン）
Front Nutr. 2022 Mar 10;9:829307.
発行日：2022年3月10日
ここ数年、ビタミンDと様々な疾患との関係を調べた論文が数多く発表されており、ここでもいくつか紹介してきました。
それだけ世界中の多くの人がビタミンD不足に陥っており、様々な疾患の原因の一つになっている、ということです。
そこで、イギリスでは国を挙げて、国民のビタミンD不測の状況を把握するため、調査を開始しています。
Office for Health Improvement and Disparities（OHID）は、既存の勧告に沿って、イングランドにおける国民のビタミンDの状態を改善するとともに、関連する健康格差に対処し、ビタミンDの恩恵を最大化することによって健康状態を改善する方法について意見を求めています。
イギリスでは、低所得の新米・妊産婦を対象に、葉酸、ビタミンC、Dなどのサプリメントを無料で提供しているとのこと。
そこまで国が対策を立て、栄養素摂取に対する対応を進めています。
今回の論文は18歳以上を対象にした調査であり、特に高齢者だけを調べたわけではありません。
また筆者は、
血清ビタミンD濃度が正常値であれば、高血圧のリスクは低下するが、血清ビタミンDを正常値から増加させてもリスクの低下は続かないことを実証した。この知見は、ビタミンD欠乏症の成人が治療を成功させるために特に重要であると考えられるが、一方で、ビタミンDを余分に摂取することは避けるべきであろう。
と指摘しており、やみくもにビタミンDだけをたくさん摂取すれば大丈夫だということではありません。
目安としては1日25μg（1000IU）から50μg（2000IU）摂取するのが良いのではないかと思います。
食事からはなかなか摂りにくいビタミンDなので、サプリメントを利用するのもお勧めです。
サプリメントを選ぶときのポイントは、
・錠剤は避ける
・ソフトカプセルタイプが良い
・魚油（EPA、DHA）と組み合わせている
・アルミ袋に入っている
ビタミンDは、1日25μgと非常に微量で効果を発揮するので、使用する原料もごくわずかです。
なので、錠剤であれば、粒状にするためにビタミンD以外の賦形剤と呼ばれる原料をたくさん使いますので、できれば避けたいところです。
また、ビタミンDは油に溶けやすいため、ソフトカプセルタイプのほうが、賦形剤の量が少なくて済み、更に同時に魚油（EPA、DHA）が使われている商品であれば一石二鳥です。
更に、魚油を使っているタイプの商品であれば、魚油の劣化（酸化劣化）が気になりますので、中味を守るためにはアルミ袋入りの商品を選んでください。
せっかく体のためにと思って買って使った商品が、かえって体に悪影響を与える商品であれば本末転倒ですので、ちょっとしたことですが、商品選びにも気を遣いたいものです。
これまでnoteにアップしたバックナンバーは👉こちら
いよいよ京都も桜が満開です🌸
先週末、近くにある上賀茂神社にいってきました。
観光バスもたくさん来ていて、通常の景色に戻りつつありますね。
参拝するのにも列ができていて、なかなか大変でした💦
ちょうどその日は、近くの大学の入学式があったようで、新入生がぞろぞろと歩いていて、まだまだあどけない感じでかわいかったです。
気温も上がって、これからは外に出る機会も増えるので、日差しをたっぷり浴びてビタミンDをたくさん作りましょう！
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