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ビタミンD欠乏症はCOVID-19による死亡率の上昇と関連しないが極端に低い値および高い値はリスクと関連するかもしれない

今日は初午です。稲荷ずしを食べる風習があります。1週間前は恵方巻で今日は稲荷ずし。いろいろと風習と食事とのかかわりを知るというのも大事なのかもしれませんね🍣
関東地方はまた積雪しそうですので事故にはくれぐれもご注意ください⛄

さて本日はCOVID-19とビタミンDに関する報告をお送りいたします。
これまでビタミンDとの関連がいろんな国から報告されていますが、今回はイギリスからの報告で、血中のビタミンD濃度が低すぎても、また逆に高すぎてもよくない、という結果が出ました。

▶論文概要
COVID-19に関し、ビタミンDの状態と死亡率の関係を調べることを目的とし観察研究を行った。
COVID-19の患者472人が対象となり、そのうち112人(23.7%)が28日以内に死亡した。
非生存者は生存者(65歳、[19-95]、P = 0.003)よりも高齢(平均年齢73歳、[範囲34-98])で、男性の方が多かった(67%、P = 0.02)。
ビタミンD欠乏症(25(OH)D<50nmol/L)の頻度は、非生存者(71/112 [63.4%])と生存者(204/360 [56.7%]:P = 0.02)で同様であったが、年齢、性別、併存疾患を調整すると、25(OH)D 50-74nmol/L(参考)と比較して、重度の欠乏((25(OH)D <25nmol/L), OR 2.37(95% CI 1.17, 4.78))、または高い(25(OH)D(≥100nmol/L), OR 4.65(95% CI 1.51, 14.34))場合では死亡率の増加オッズが存在することが示された。
血清ビタミンD結合タンパク(DBP)値は、25(OH)D、年齢、性別、併存疾患を調整した後、死亡率とは関連しなかった。
遊離型および生物学的利用可能な25(OH)Dは、いずれも死亡率と関連しなかった。
血清25 (OH)D 値(<50nmol/L)で一般的に定義されるビタミンD欠乏症は、COVID-19による死亡率の上昇と関連しないが、極端に低い値(<25nmol/L)および高い値(>100nmol/L)は、リスクと関連するかもしれない。
遊離型および生物学的利用能のある25(OH)Dはいずれもリスクと関連しないことが明らかとなった。

▶論文情報
Vitamin D, D-binding protein, free vitamin D and COVID-19 mortality in hospitalized patients
The American Journal of Clinical Nutrition, nqac027
発行日:2022年1月31日

昨年5月に発表された以下の論文では、血清VD濃度はSARS-CoV-2血清陽性とは関連しない、という報告がJAMAから出ました。
JAMA Netw Open. 2021;4(5):e2111634.
また中国からは、ビタミンDの欠乏または不足がCOVID-19感染や死亡とは有意に関連していない、という報告もあります。
Nutr J. 2021 Oct 31;20(1):89.

このようにVD濃度が低い人は罹患しやすい、ということは簡単には言えないし、VDをたくさんサプリメントで摂ったからと言って罹患しない、というものではなさそうです。
しかし、今回の発表を見ると、極端に血中濃度が低い人(<25nmol/L)、逆に高すぎる人(>100nmol/L)はリスクがあるという結果であり、特に高すぎてもリスクがあるという点には注目すべきだと思います。
もちろん血中のVD濃度が高すぎると高カルシウム血症のリスクがあるので、VDサプリメントの摂りすぎには要注意です。

また違った視点での研究が日本の女子栄養大学から発表されています。
Nutrients 2022, 14(3), 633
日本とアメリカとの比較をしており、アメリカ(日系アメリカ人を含む)の100万人あたりのCOVID-19の症例数と死亡者数は、日本よりもそれぞれ12.1倍と17.4倍多くなっているとのこと。
この研究の目的は、COVID-19感染の予防に対する食事の影響を調査することでした。
COVID-19の発症率および死亡率の日米間の差は、人種差ではなく、栄養摂取量および肥満の有病率の大きな差に一部起因している、という結論です。
日本の食物摂取量(100%)と比較すると、アメリカの食物摂取量は、牛肉396%砂糖と甘味料235%魚44.3%、米11.5%、大豆0.5%、お茶54.7%だったという結果です。
筆者は、患者数および死亡者数が日米で約12〜17倍の差があるのは、両国の食生活が大きく異なるためで、おそらく極度の肥満が引き起こす免疫抵抗力の低下が原因であり、アメリカの食事はジャンクフードが多く、COVID-19感染に対する脆弱性を高めている可能性がある、と指摘しています。

実際に、アメリカからの報告では、肥満と極度の肥満はCOVID-19関連の入院と死亡の両方のリスクを高める、とのことです。
bmjnph 2022;0:e000375.
こちらに要約を書いていますのでご覧ください。

これらの結果から、何より大事なことは感染予防ですが、毎日食べている食事内容が自分自身の防御力に大きな影響を及ぼしている、ということであり、日々食べている食事の質を見直すきっかけになればと思います。

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