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ヘム鉄が多い食事は糖尿病になりやすい

昨日はバレンタインデーでしたね。13日の日曜日に京都駅の伊勢丹に行きましたが、洋菓子コーナーはさすがの人、人、人でした。
最近は老舗の和菓子やさんがバレンタイン向けの商品を売っておられたのが印象的でした。
少し前までは、スーパーで板チョコ売り場が幅を利かせていましたが、今年は手作りを控えている傾向なのか、売り切れるような気配はなかった感じがします。

さて本日は、ヘム鉄が多い食事を摂りすぎると糖尿病になりやすい、という発表がありましたので紹介いたします。

▶論文概要
総鉄分、ヘム鉄、非ヘム鉄、サプリメント鉄分摂取量と2型糖尿病(T2D)リスクとの長期的な関連を評価することを目的とし調査を実施した。
11の前向きコホート研究323,788人T2D発症28,837例が含まれた。
ヘム鉄摂取量が多いほどT2Dのリスクが20%高いことが示された(95% CI 1.07, 1.35; I2 = 77%, n = 11; GRADE = 中等度)。
用量反応解析では、ヘム鉄摂取量が1mg/日増加するごとにリスクが16%高くなる(95%CI 1.03, 1.30)、正の単調な関連が示された。
総鉄、非ヘム鉄、補助鉄の食事摂取量とT2Dリスクとの間には、有意な関係は検出されなかった(GRADE = 非常に低い)。
ヘム鉄源に富む欧米風の食事パターンを採用することがT2Dの高いリスクと関連する。

▶論文情報
Dietary iron intake and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies
Eur J Nutr. 2022 Feb 2.
発行日:2022年2月2日

日本ではサプリメントとして、鉄の補給、貧血予防のために、ヘム鉄の商品がありますので、ご存じの方もおられると思います。
この原料は、豚の血液で、そこからヘムというタンパク質に結合した状態で精製したものがサプリメントで使うヘム鉄原料です。
この論文では、そのもととなる血液中のヘム鉄のことを指していますので、厳密にいうと同じものではありません。
しかし、総鉄、非ヘム鉄、補助鉄の食事摂取量とT2Dリスクとの間には、有意な関係は検出されなかった、とのことですので、食事由来、つまり食肉に含まれる鉄分だけが2型糖尿病になりやすいと言えそうです。
筆者らは、ヘム鉄の摂取量が多い人は、鉄貯蔵量が過剰になりやすい こと、また鉄は強いプロオキシダントであり、酸化ストレス、DNA損傷、細胞膜の完全性の破壊につながるため、筋肉細胞や脂肪細胞のグルコース取り込みを妨げ、インスリンの作用を低下させることになり、長期の高インスリン血症、鉄沈着の増加、およびβ細胞に対する活性酸素の危険な作用のため、β細胞の破壊および2型糖尿病の発症に寄与している、と推察しています。

1月にも以下のような論文を紹介しました。
「鉄摂取量が多いことは若い日本人の2型糖尿病患者の肥満と独立して関連している」
この論文では既に2型糖尿病の人を対象にしていましたが、今回はその前の段階での調査結果でしたので、まだ糖尿病になっていない人も、ヘム鉄を多く含む食肉や加工肉を食べすぎないようにしなければなりません。

また、ここでのサプリメントから摂取する鉄はいわゆる非ヘム鉄だと思います。海外ではヘム鉄のサプリメントはほとんど見たことがありませんし、いわゆるハラルなどのイスラム系の方はもちろんNGです(アメリカの展示会でヘム鉄原料ってあるかって聞いたら、なんだそれ?って言われたことがありました)。

肉に含まれている脂肪分だけでなく、ヘム鉄というあまり意識しない成分が酸化ストレスを増やし、ひいては糖尿病になってしまうリスクが高くなる、ということですので、糖分の摂りすぎだけではなく、赤身肉の食べ過ぎも要注意です。

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