「Butterfly Angel」　LUD Personal Works vol.43

Art Directorの鈴木知一（スズキトモカズ）です。

今回も「CREEP CREATURE＝気持ち悪い生き物」をテーマにコラージュアートを作成しています。今回は「Butterfly Angel」というコンピレーションALBUMのご紹介です（架空です・笑）

よく書くことですが、僕の作品は女性モチーフが多いです。今回は女性というより小さい女の子って感じです。結果論ですが、黒猫を顔部分に持ってきたことにより背景色はピンクにしました。超絶絶妙なピンクです。マゼンタ45のイエロー20くらいのピンクです。僕のよく使う色であり好きな色は、黒とピンクでして、「どんなピンク」かも結構毎回気にしてます。こだわってますって言い方にしちゃうと、所詮CMYKの数字をどうするかでしかないので、「気にしてます」に留めておきます（笑）

というわけでピンクとひとえに言っても様々です。マゼンタのみの数値をいじっていくと、薄い桜の色のようなピンクから、若干紫の雰囲気も感じるように濃いピンクまで、濃度で表情が変わります。ここにイエローを混ぜていくと、いわゆるサーモンピンク的な色見になっていって、どこか古めかしい感じの表情に見えてきます。

今回狙ったピンクは、マゼンタが45であわ過ぎずきつ過ぎずな中間な濃度に、若干の古めかしさ感を演出するためのイエロー20がプラスさせています。これは全くの余談ですが、この仕事ずっとやっていると、数値で色見を想像できたり、印象を変えたりすることができるようになります。

さて、ずいぶん背景色だけで書いちゃいましたが、メインビジュアルの話に移りましょう。

今回は黒猫の頭に群がる蝶々に目玉が紛れています。ファンタジックでいながら目玉の表現がちょと怖かったり、いつもの相反する要素ってのを盛り込んでいます。水玉のかわいい洋服に大胆に心臓のプリント、うさぎのぬいぐるみの目はピンクでかわいらしいですが、6つも目があります。そして、今回かなり最後まで悩んだ部分が、彼女の左脛に彫られたタトゥーです。最初は肌という肌に和彫を入れてみたのですが、全体のマッチングが悪くワンポイントにすることにしました。

言ってしまえば架空のデザインで、登場するキャラも架空。なんでもありなのはわかっていても、この子に一番合うタトゥーはどんなんだろう？おしゃれなんだろうか？いかついんだろうか？本当にタトゥーを体に彫るかのように悩みました。

まるでこの子が書いたかのようなかわいく荒々しいButterfly Angelの文字で最後を締めます。

たぶんですが、このButterfly Angelのコンピレーションの楽曲は、このキャラのようにPOPでかわいいけどトゲのある、そんなバンドばかりを集めたALBUMになっていると思います。

鈴木知一 / Tomokazu Suzuki
Art Director, Designer

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