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銀行の非常識は世間の非常識

「銀行の非常識は世間の非常識」という言葉を耳にされた方もいると思います。

今日は、銀行のネガティブな面をお伝えします。

①1円の重み
皆さんの中には、
「銀行というのは、1円でも勘定が合わないと仕事が終わらない」
という話を聞いた事がある人もいると思います。
これは本当の話です。

銀行にとって、金額の大小は問題ではなく、金額が合わない事が問題なんです。
預金契約というのは、窓口でテラー係がお金を数えて、伝票に記載された金額と相違しない事を確認し、お預かりした時点で預金契約が発生します。

なので、金額の大小は問題ではなく、金額が合わない事自体が大問題なんです。

実際、金額が合わず深夜遅くまで帰れない事がありました。

②融資の営業
銀行員であれば、融資の売り込み営業を行います。
「社長、ぜひうちの融資を使ってください。お願いします」
こんな感じです。

でも実は、融資というのは、支店内での事前協議を経た後に、審査部での決済後に融資が実行されます。

なので、アプローチする段階では、融資が実行できるかどうかは分かりません。

普通の営業であれば、自分で販売の可否判断が出来ます。
でも、銀行の営業というのは、支店長でもない限り自分に決裁権限がありません。
そこが通常の営業とは異なる所であり、銀行の仕事の醍醐味でもあります。

③指導教育
銀行を辞め、保険会社の研修生になって感じた事ですが、銀行の営業の指導教育というのは、支店の環境による所が非常に大きいと感じました。

保険会社の研修生時代は、座学研修を通じて保険の知識を習得し、徹底的にロールプレイングを通じて、営業アプローチを習得します。

他の銀行にいた事がないので他行の事は分かりませんが、若手の指導育成は現場任せである事が多いと思います。
金融業としての銀行の事業領域が広いので、覚える事が多いので致し方無いとは思いますが、若手は先輩の仕事を見て覚え、現場で経験を積み、成果を積み上げるしかありません。

ただ、私は恵まれていました。
初任店では、一つ上の先輩と数字を競い合う中で営業の実力を鍛えられましたし、次の配属先では、全店1位を何期も連続で受賞しているスーパースターの隣で仕事をする機会に恵まれました。

④上司の言う事は絶対
これは銀行に限った事ではないとは思いますが、銀行というのはそれがより顕著だと思います。

「支店長が言っている」
「常務が言っている」
という言葉がヒラ行員に向けられると、それがどれだけ理不尽な内容だったとしても、意見する事は不可能です。

また、融資の事前協議においてもそれは同様です。
通常事前協議は下のポジションから、上のポジションに上がっていき、最終的に支店長に回る様になっています。

銀行による違いはあると思いますが、
得意先係→得意先課長代理→得意先課長→融資係→融資課長代理→融資課長→次長→支店長
の流れです。

それぞれのポジションで、可否判断をして回していきます。

多くの案件では、下のポジションから「可」で回る事がほとんどですが、過去に支店長のみ「可」、支店長以外の全員が「否」という案件がありました。

非常に珍しい案件でしたが、支店長の判断で融資実行されました。

この内容は、銀行ごとの違いは勿論、支店の環境、人間関係による違いも大きいとは思います。

銀行という仕事のイメージの参考になれば幸いです。


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