若い女性には鉄検査が必要
10代の少女や若い女性の10人中4人は、エネルギー低下やめまいなどの症状を引き起こすほど鉄分濃度が低い可能性があることが、米国ミシガン大学の新たな研究で示唆された。 12~21歳の40%が鉄欠乏症で、黒人、ラテン系、低所得者、低BMIの人ではその割合が高くなる。
さらに深刻な点として、この研究では、12~21歳の女性17人に1人が鉄欠乏性貧血の診断を受けるほど鉄レベルが低く、治療しなければ生命を制限する症状を引き起こす可能性があることが判明したという。
研究者らは、NHANESと呼ばれる全米国民健康・栄養調査から得たフェリチンとヘモグロビンの血液検査データやその他の情報を使用した。彼らは、フェリチンレベルが収集されなかった数年間を除いて、2003年から2020年の間に参加した12歳から21歳の女性3,490人のデータを分析した。分析では、妊娠している若い女性や、慢性炎症、腎臓、肝臓に関わる疾患など、鉄分濃度を妨げる可能性のある症状の兆候のある若い女性は除外された。
鉄欠乏の定義として血液1リットルあたり25μg/L未満のレベルを設定した。しかし、専門家はフェリチンのどのレベルが低すぎるかについての明確な国際基準を持っていないため、15 μg/L および 50 μg/L 未満のレベルについても検討した。
ヘモグロビンにも注目し、ヘモグロビンが12mg/dL未満、フェリチンが25μg/L未満の場合、若い女性を貧血であると分類した。
全体として、若い女性の 39% のフェリチン レベルが25 μg/L 未満で、17% が 15 μg/L 未満だった。鉄欠乏性貧血に関しては、ヘモグロビン 12 mg/dL とフェリチン 25 μg/L の合計カットオフを使用した場合、6% がこの診断の対象となったという。
筆頭著者のアンジェラ・ウェイアンド准教授は、この研究結果が、医療提供者が若い女性患者にフェリチン検査を指示し、鉄分が豊富な食品(動物性食品と果物、野菜、ナッツ、種子に含まれる鉄の両方)を食べるようアドバイスするきっかけとなることを期待している。
出典は『JAMA』