見出し画像

難消化性デンプンが骨髄移植合併症の解決策となる可能性がある

ドナーから幹細胞移植を受けた10人の患者に難消化性ジャガイモデンプンから作られたサプリメントを与えたところ、腸内細菌の短鎖脂肪酸の産生量が変化し、移植片対宿主病(GVHD)の発生を潜在的に予防できる可能性があることを発見した、という米国ミシガン大学からの研究報告が『ネイチャー医学』誌に発表された。

GVHD は、ドナーの血液または骨髄からの幹細胞移植を受けた患者の最大半数で発症する。身体の多くの部分に影響を与える可能性があり、軽度または中等度からより重篤な、さらには生命を脅かすものまで多岐にわたるという。

GVHD を予防および治療する方法は、免疫システムを抑制する強力な薬を使用することだが、これにより、患者は生命を脅かす可能性のある感染症を引き起こす可能性が高まる。

これまでの研究では、腸内に常在する細菌とその生成物が、移植後にGVHDが起こるかどうかに影響を与える可能性があることが示されていた。

研究者らは現在、難消化性ジャガイモデンプンの摂取により幹細胞移植後のGVHDが実際に減少するかどうかを判断するために、この研究の第2段階にさらに多くの患者を登録している。10歳以上のドナーからの血液または骨髄幹細胞移植を受ける60人の患者は、GVHD予防のための通常のすべての薬の服用に加えて、難消化性ジャガイモデンプンまたはプラセボデンプンを摂取するよう無作為に割り付けられ、80%が難消化性ジャガイモデンプンを受け、20%がプラセボデンプンを投与される。この第 II 相臨床試験は、研究者らが難消化性ジャガイモデンプンの摂取が GVHD 予防に効果的かどうかを知るのに役立つものである。

出典は『ネイチャー医学


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?