加齢に伴う脂肪蓄積が筋肉密度を低下させる
加齢に伴う腹部脂肪の蓄積が筋肉密度の低下と関連しているようだ、という米国ボストン大学などからの研究報告。
筋肉密度が低いということは、筋肉内に脂肪が多く含まれていることを意味し、その結果、筋肉の機能が低下し、転倒が増える可能性がある。研究によると、腹部に見られる内臓脂肪組織 (VAT) の 6 年間の蓄積が最も多い人は、筋肉密度が有意に低かった。本調査結果は、体内に脂肪が蓄積するリスクに新たな知見を追加するものであるという。
研究チームは、Framingham Study の第 3 世代コホートからの 1,145 人の参加者を対象に、ベースラインと 6 年間の追跡調査で脊椎の定量的コンピューター断層撮影スキャンを行い、筋肉密度と VAT を測定した。
その結果、6 年間で VAT の蓄積が最大だった個人は、追跡調査時に傍脊柱密度が有意に低かった。 ベースラインを1として、VAT の 100 cm 3増加あたり推定 0.302(男性)および 0.476(女性) の筋肉密度 (HU) の低下が認められたという。
「ほとんどの肥満研究は、糖尿病、高脂血症、高血圧、冠状動脈性心疾患、変形性関節症などの代謝および心臓血管の結果に焦点を当てています。しかし、筋肉量または筋肉密度の低下のリスクに対する肥満の役割については、コンセンサスがかなり少ないのです」と著者らは述べている。
「この研究は、米国および世界で増加している肥満問題の傾向を逆転させるための公衆衛生の取り組みに重要な新しい情報を追加します」と著者らは述べている。「『男性型』と呼ばれることもある腹部に蓄積する脂肪によって、背骨を取り囲む筋肉の密度が低くなり、筋肉の機能が低下することが示されました。」
出典は『The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism』
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