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昆虫のキチンは腸内細菌に有益?

昆虫のキチンとオメガ3脂肪酸は、健康な腸内微生物叢に寄与し、タンパク質と栄養素の強力な供給源であるようだ、という米国ウィスコンシン大学からの展望記事。

記事の要点は以下の通りである。

●20億人が住む地域で食べられている昆虫の種類は、カブトムシ、毛虫、ハチ、ミツバチ、アリ、バッタ、カメムシ、シロアリなどである。
●栄養はさまざまだが、昆虫は、人間の栄養に必要なすべての必須アミノ酸を含む生物学的に利用可能な動物性タンパク質の信頼できる供給源であると考えられている。
●アレルゲンや汚染物質などの昆虫摂取のリスクを特定する研究が行われているが、昆虫を食べることが他の動物性食品源よりも消費者に大きなリスクをもたらすという証拠はほとんどない。
最近の研究では、ヒトの細胞がキチンを分解する酵素を生成し、消化プロセス中に吸収されることが示されている。
●研究チームの以前の研究では、毎日25グラムのコオロギ粉を摂取すると腸内の有益な細菌が増加することが示されたが、チームではさらに研究が必要であると述べている。
●昆虫の消費は、病気や世界の食糧不足のリスクを軽減しながら、栄養不良の世界的な課題にプラスの影響を与える可能性がある。
●腸の健康に対する昆虫/キチンの影響の有望な証拠は限られているので、大規模なヒト臨床研究が必要だ、と研究チームは述べている。

「低コストの昆虫養殖は、特に昆虫食がすでに実践されている状況において、脆弱なコミュニティが栄養ニーズを満たし、食料安全保障を改善するのに役立つ可能性がある」と研究者はコメントしている。

出典は『Nature Food


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