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フラバノール不足が加齢に伴う記憶力低下を促進する

果物や野菜に含まれる栄養素であるフラバノールの少ない食事が加齢に伴う記憶喪失を引き起こすことを初めて証明した、という米国コロンビア大学などによる大規模疫学研究の結果報告。

この研究では、高齢者のフラバノール摂取量は、正常な加齢による記憶力の低下を検出するために設計されたテストのスコアで追跡され、軽度のフラバノール欠乏症の60歳以上の成人にこれらの生物活性のある食事成分を補充すると、これらのテストの成績が向上することがわかった。

研究では、3,500人以上の健康な高齢者が、3年間毎日フラバノールサプリメント(錠剤の形)またはプラセボ錠剤を摂取するよう無作為に割り当てられた。このアクティブサプリメントには、成人が食物から摂取することが推奨される量である80 mgのエピカテキンを含む500 mgのフラバノールが含まれていた。

研究の開始時に、参加者全員がフラバノールを多く含むことが知られている食品など、食事の質を評価する調査に回答した。参加者は、ブリックマンによって設計および検証された一連のウェブベースのアクティビティを自宅で実行し、海馬によって支配される短期記憶の種類を評価した。テストは 1 年、2 年、3 年後に繰り返された。参加者のほとんどは、自分たちは非ヒスパニック系で白人であると認識していた。

毎日フラバノールサプリメントを摂取したグループ全体の記憶力スコアはほんのわずかしか改善しなかったが、そのほとんどはすでにフラバノールを豊富に含む健康的な食事を摂っていた。

しかし、より質の悪い食事を摂り、フラバノールのベースラインレベルが低かったと報告した参加者は、フラバノールサプリメントを摂取して1年目の終わりに、記憶力スコアがプラセボと比較して平均10.5%、ベースライン時の記憶力と比較して16%増加したことがわかった。毎年行われる認知機能検査では、1年で観察された改善が少なくともさらに2年間持続することが示された。

研究者らは、フラバノール摂取量が記憶スコアと相関関係があり、フラバノールサプリメントによりフラバノール欠乏症の成人の記憶力が向上したことから、フラバノール欠乏症が加齢に伴う記憶喪失の原因であることを強く示唆していると述べている。

「フラバノールが欠乏症でない人にはフラバノールが影響を及ぼさないようです」と研究者はコメントしている。

出典は『Proceedings of the National Academy of Sciences

https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2216932120


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