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食事の質が腸内細菌叢にどう影響し健康を促進するか

健康的な食事ガイドラインを遵守することで、全体的な健康をサポートする可能性のある腸内微生物叢の構成を促進できるようだ、という米国イリノイ大学からの研究報告。 

微生物叢は、消化管に生息する何兆もの微生物で構成されている。それらは多くの生理学的プロセスに寄与しており、多様性の高い腸内微生物叢は、疾患に寄与する可能性のある代謝の混乱に対する回復力を促進する可能性がある。 

研究者は、全米数千人の糞便サンプルを含む大規模なクラウドソーシングデータベースである「米国人の腸プロジェクト(American Gut Project)」のデータを分析した。432名の健康な対象者を米国人の食事ガイドライン(DGA)の順守度に基づく健康な食事指数(HEI)によって3群(高中低)に振り分けた。

データ解析の結果、HEIが高い人々は、DGAの順守度が高いだけでなく、腸内微生物叢の多様性が最も高く、食物繊維発酵などの有益な機能に寄与する細菌もより多く保持していることが明らかになった。 

「腸内微生物の組成を検査することは、現在、標準的な身体検査の一部ではありません。今日病院に行ってマイクロバイオームの解析を行ったとしても、医師や栄養士は、結果から根拠に基づいた強力な推奨事項を提供することはできません。けれども、食事、微生物叢、および健康の相互作用について理解が深まるにつれて、一部の腸内微生物が推奨される食事の対象になる可能性があります」と主任研究者のハンナ・ホルシャー准教授はコメントしている。

「現在、ナトリウムを減らして血圧を下げたり、飽和脂肪を減らして LDL コレステロールを下げたりするように推奨しているように、私たちの目標は、有益な腸内微生物に栄養を与える食事の推奨を行うことです」

出典は『The Journal of Nutrition


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