見出し画像

ニコチンアミドリボシドが末梢動脈疾患患者の歩行を改善

市販のサプリメントであるニコチンアミド リボシド(ビタミンB3の一種)が、効果的な治療法が少ない慢性脚疾患である末梢動脈疾患を持つ患者の歩行耐久力を向上させた、という研究報告。

研究者らは平均年齢71歳の末梢動脈疾患(PAD)を持つ90人を募集し、ニコチンアミド リボシドの効果を検証した。このサプリメントは抗老化治療としてますます人気が高まっており、2022年には米国だけで売上が6000万ドルを超えたが、健康な人に対する利益の証拠はほとんどなかった。ニコチンアミド リボシドは、エネルギー生成、血流改善、DNA修復に関連する重要な化合物であるNADの前駆体である。

PADは筋肉細胞内でのエネルギー生成の問題と関連しているため、研究者らは、ニコチンアミド リボシドがエネルギー生成を改善することで、PAD患者の歩行を改善できると考えた。そして、実際にその通りの結果が得られた。サプリメントを摂取した参加者は、6か月後の6分間歩行テストで平均7メートル多く歩行し、プラセボを摂取した人々は10メートル少なく歩行した。規定の75%以上の錠剤を摂取した人々は、さらに30メートル以上歩行距離が増加した。

研究者らはまた、赤ワインに含まれることで知られるレズベラトロールがニコチンアミド リボシドの効果を高めるかどうかをテストしたが、追加の利益は見られなかった。

「健康な人々がこれを摂取する前に、健康な高齢者に対してテストする必要があります」と研究者は述べ、PAD患者を対象としたより大規模な試験に加えて、健康な高齢者の歩行能力に対するニコチンアミド リボシドの効果をテストすることを希望している。

出典は『Nature Communications


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?