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実装期間わずか2週間!?「FEMCLE」決済機能の開発の裏側

リンケージは女性特有の健康課題にアプローチをする法人向けサービス「FEMCLE」を展開しています。今回はそのサービス内で超短期間にも関わらず決済機能の実装を実現した77webさんにお話を伺いました。

インタビュイー:77webプロフィール

東京大学法学部第一類卒業。夫の転勤に伴い、地方でフリーランスとしてWeb制作を始める。 メールフォーム作成依頼を機にPHPを学び、PHPの面白さに目覚める。 Web制作をやめてシステム開発の受託に転向し、2014年(株)カルテットコミュニケーションズにエンジニアとして入社。 リスティング広告運用効率化ツール「Lisket」などの開発に従事し、2020年〜2023年1月リードエンジニア・エンジニアリングマネージャーを務める。2023年2月(株)リンケージ入社。 ユーザーの役に立つ・使われるシステムをたくさん作ることで、世の中を便利にするのが人生の目標。 関心領域はオブジェクト指向・ドメイン駆動設計・テスト駆動開発。

原体験は「やっぱりものづくりが好き」

-これまでのご経歴を教えてください。

現在は名古屋に住まいがあり、子育てをしながらリンケージでエンジニアとして勤務しています。エンジニアになったのは子育てとの両立を見据えた働き方を選びたかったのと、学生時代の授業での経験からです。当時情報処理の単位を取得するための1つで、インターネット上にHPを制作する授業があったのですが、一緒に受講していた他の人よりも覚えるのが早かったり教えたりするのが楽しかったことで仕事にできないかと考え、エンジニアとしてのキャリアをスタートしました。それがいまから20年ほど前のことです。

企業のHP制作からはじまり、メールでの問い合わせフォームをプログラミングを使って制作し納品しました。その反響があったのか、同企業から追加で会員システムの作成依頼をいただくことができました。手探りながらも調べながらものづくりをして納品してを繰り返すうちに、HP制作だけを行い納品するよりもプログラミングやサービス開発が面白いと思うようになりました。

そこからプログラムや開発言語に関する勉強会などに積極的に参加するようになり、技術理解をさらに深めていきました。また、開発経験を重ねるうちに気付いたり失敗を経て学んだりしたことを勉強会で発表するようにもなりました。ほかにはオープンソースライブラリを作ってGitHubに公開するなど、様々な人との出会いで刺激を受け、これまで以上に積極的に行動をはじめましたね。

そこからフリーランスでの受託開発、インターネット広告専門の広告代理店のシステム開発部門での勤務を経てリンケージに入社しました。また企業に属することを選んだのは、プログラムを書くだけでなく、サービス利用に関わる周辺の機能開発に対する提案や導線設計、プロダクトマネジメントなどの面白さに関わりたいと思ったのが大きいです。思い返せば広告代理店に勤務していた頃も、本当に使われるシステムやサービスを作るためには外注パートナーとしてではなく社員として中に入って業務自体を改善する必要性と、そのやりがいを見出していたように思います。

やっぱりものづくりが好きだと強く感じたのはこの頃で、実はリンケージには正社員として入社する前から関わっています。きっかけは勉強会等で以前から知り合いだったCTOのsoudaiが一緒に働く人を探していたことでした。現在は名古屋からリモートワークで働いています。ときには東京本社へ出社することもあって、メンバーとのオフラインでの交流も楽しんでいます。

子宮内膜症を患った経験がサービス開発の原動力

-「FEMCLE」への印象やサービスの強みをどのように捉えているか教えてください。

「FEMCLE」は女性の健康課題を改善するサービスです。私自身は子宮内膜症を患った経験があり、現在も薬を飲みながら通院しています。この病気に気付けたのは同様に重い生理痛に苦しんでいた妹に通院を勧められたおかげです。もともと生理痛が重かったのですが、いつも“生理になればこんなものだ”と考えていたので、これまで出産等以外の自身の体調のために婦人科へ通院したことはありませんでした。ただ、病気が発覚し適切に診察をしてもらえたことで、毎月の生理痛が楽になった経緯があります。

このような自身の経験から、重体化してから病院にいくのではなく、早め早めの診察の重要性を広められたらと思うようになりました。また、女性特有の健康課題について理解を促進、啓蒙することで幸せな気分で働ける女性が増えれば、少し前の自分のように悩む女性を助けられると考えています。

最短期間での開発を実現した要因

-そんな想いを持ちながらサービス開発に関わっているのですね。そして今回、「FEMCLE」内で決済機能を実装されました。この経緯をお聞かせください。

「FEMCLE」は現状法人向けサービスのため、法人決済で各従業員が利用しています。ただ、今回決済機能を開発した背景は、「FEMCLE」の利用料を定金額までは企業が負担し、それ以上利用する方には個人負担にするといった決済方法を選択したい企業のニーズがあり、そのニーズに対応したといった背景です。「FEMCLE」は従来、疾患の自覚がない女性にも気軽に利用してもらい気づきを提供したいという思いから、費用を企業として負担できる企業のみを対象に提供していました。ですが今回のような決済機能を備えることで、費用負担が難しい企業に所属している働く女性にも「FEMCLE」の価値を届けられる可能性が出てきました。

ただ、決済機能実装の難しさには3つ要素があります。

①外部決済代行会社との連携を実装する必要があり、外部決済代行会社から提供される仕様に合わせた実装が必要
②お金に関わる部分なので、二重課金・請求漏れいずれも発生しないよう対策を含めた実装が必要
③改ざん・なりすまし・不正利用等を防ぐため、セキュリティにも配慮した実装が必要

「FEMCLE」では今回、これらにも対応した決済機能を実装しました。今回の機能は早期利用ニーズがあり、実装完了までに要した期間は1ヶ月ほど、うち機能開発でいえば2週間ほどの作業量で実施することができました。この短期間で実現できたのは、前職でクレジットカードの決済機能を開発した経験があったほか、これまでに得た開発知識をフルに活用できたことが大きな要因です。

・ドメイン駆動設計の知識・経験
・オブジェクト指向の知識・経験
・リーン指向
・テスト駆動開発の知識・経験

詳しくは以前登壇した「PHPカンファレンス関西」で使用したこちらの資料でもまとめています。

もともと私が一番得意なのが“早く開発する”ことで、イメージでいうと20%、60%、80%完成の段階で担当者へ確認を依頼し、手戻りを少なくすることで100%の完成までに持っていく時間を短くするといった進め方になります。今回で言うと例えば、画面上の流れとして決済が完了したように見える表側のフローを先につくり、この流れで利用ができそうかをお客様と直接関わる社内担当者に聞きました。ここで承認をとってから裏側の実装開発をはじめたことで、手戻りなく最低限の作業で実装まで完了することができました。前職でも一緒に働いていた人たちから「仕事が早いからいいね!」と手を動かす速さを評価されていたので、実際に短期間で実装できてとても安心しましたし、自信にも繋がりました。

個人的な話ですが、実は前職で若い女性社員から婦人科になかなか通いづらい話や女性特有の健康課題に悩んでいるのをランチなどのタイミングで聞く機会があり、それがとても印象に残っています。そのため個人の意見ではありますが、今後「FEMCLE」の個人利用への道も開きながら、女性特有の健康課題へ早めに対策できる環境をより多くの方に提供していけたら嬉しいです。

サービスについてはこちら

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