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とことん自己決定をさせる。これが真に人を育てるコツ。

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昨日、工藤勇一先生にお越しいただき、学校教育シンポジウムを開催することができました。工藤先生が話される教育のあり方は、企業やこの青年会議所においてもストレートに当てはまる現代の人財育成方法のあるべき姿なのだと思いました。最高ですので、是非ご覧いただきたいです。

「何を、どのように教えるか」から「何を、どのように学ぶか」へのシフト

従来の教育は、大人が生徒に対して「何を、どのように教えるか」というテーマで議論がなされ、プログラムが組まれていた。しかしながら、未知の課題に対処していくことが求められる現代においては、与えられるものを吸収していくような教育では対応できず、各人が自らの意思に基づいて「何を、どのように学ぶか」という視点で、システムを構築する必要があると言います。

これはすごい話だなって思いました。

後者の「何を、どのように学ぶか」というスタンスだと、未熟な意思決定しかできない人は、その判断もまたベターではないのではないかという心配がよぎります。実際、これまで教育は後見的に構築されてきたと思います。未熟な人の判断に任せると危ないから大人が「こうしなさい」という視点で教育がされていたということです。

しかしながら、各人の自己決定に基づく場合は、未熟な自己決定をした結果から行われたアクションや結果の反省のプロセスこそが重要であり、また、そのプロセスに伴走する支援こそが大人の責任なのだと思います。

コーチングが大切、と語られる工藤先生のお話士は、すごく腑に落ちます。

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これがポイント!心理的安全とメタ認知能力の向上。

ただ、その自己決定を重ねながら人が成長するためには、心理的安全とメタ認知能力が大切だと言います。この点は是非とも先日出版されたばかりの工藤先生の書籍をお読みいただければと思いますが、概要はこうです。

心理的安全・・・ストレスが掛かると本来の意思決定が期待できない。だから自分らしくいられるようにしておく必要がある。ただし、ストレスへの耐性は高めていかないと社会生活で力を発揮できないので、そこは気をつけよう。
メタ認知能力・・・冷静になって自己分析できる能力です。他人が悪い、制度が悪い、社会が悪い、というような他責思考ではなくて、自分を分析してより良い結果に近づけるという思考です。

心理的安全に対しては、過去にメンタルタフネスについて関心を持っていた時期に幾つかの書籍を読んだことがあって、徐々にストレス耐性を高めることの必要性と、意識的にそれに取り組むようにしてきました。

例えば、大勢の人の前で手を挙げて発言をするということが苦手な人は多いと思いますが、最初は緊張して思うように発言できないものですが、慣れてくると自分が考えていることを素直に伝えられるようになるものです。仕事も徐々に慣れて臨機応変に対応できる力がついていくのも同じような話です。青年会議所でもよく「はい」か「イエス」か「喜んで」という姿勢であるべき、という少し笑い話もありますが、私がこの姿勢でやってきた背景にはメンタルタフネスの考えがあったからです。とはいえ、ストレスが異常に大きい時は潰れそうにもなるので、この辺りのさじ加減はとても難しいですよね。

また、メタ認知能力については、私の場合は「自分と未来は変えられる」という考えで動いているので、そういう話です。誰かのせいにしていても、その誰かを変えるように動いてもうまくいかないことの方が多いですし、不確実なので、私はその不確実なことに人生を左右されなくない、っていう考えが強くて、昔からこの考えでした。

こんなふうに書いていると、じゃあ北川は有効な自己決定をできているのか?と冷や汗が出てきそうですが、これは全然弱かったなぁって思っています。薄々感じていたのが、自分は果たして本当に自分の意思で選択をしてきているのか、という不安でして、とりわけ20代くらいまではそこがすごく弱かったと確信しています。誰かの意思に従っていたというよりは、自分の意思で調べて自己決定をしていたという経験は少なかったように思います。最近はそれでもだいぶマシになってきたと思いますが、しかしながら今年に入ってからも上手くいかなかったことの多くは自己決定と責任感なのだろうと今思い返しております。

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※工藤勇一先生のファンとしてお越しになられた岡本雅司先輩と(笑)

圧倒的な当事者意識を高める取り組み。これってめちゃくちゃJC運動のあるべきカタチ

さて、このような工藤先生のお話しには、おそらく多くの人が共感を持たれるのではないでしょうか。すぐに自分の子供ともこのように向き合おうと思う方も多いと思います。

ただ、これを例えば学校教育の場で大きく舵を切ろうとするならば、かなりのハレーションも生むのではないかとも思います。ですので、その点はパネルディスカッションの中で少し質問をさせて頂きました。

この点について工藤先生のコメントは、要は動かしたい人たちにも自己決定をさせるように話をしていくしかないという趣旨だと理解しました。どのような人材に育てたいか、という共通ゴールから逆算して、それならばどのやればその人材が育つだろうか?という質問を皆に投げかけていく。これはかなり質問力という意味でもレベルの高い取り組みだと思いますが、なるほど、このやり方ならば関係者の当事者意識は高まるに違いありません。

私は、今年は理事長職をお預かりしているため、「こんな組織にしたい」というものがありますが、そういうビジョンを組織に根付かせるためのプロセスってもっとあるなって反省しました。同時に、今からでもどんどんやっていこうと思います。

会社も青年会議所も教育現場も、全く同じだった

今回のシンポジウムは、ICT教育やGIGAスクール構想というテーマで、これからの教育のあり方、もっというと茅ヶ崎市ではどのような教育体制を敷いていくのかを皆さんと考えたくて企画をいたしました。

ただ、掘り下げれば掘り下げるほど、この議論は教育現場だけでなくて、私たちの会社や、私たち青年会議所にもダイレクトに当てはまる内容で、たくさんの気づきと反省を抱かせてもらえる機会になりました。

どのような人材を育てなければならないのか。

そのためには、どのような仕組み(ルール)にしないといけないのか。

このシンプルかつ本質的な問いに目を向けたときに、やれることは無限にあるなと、良い意味で活力を与えてくれるシンポジウムになりました。

工藤先生、司会を務めてくださった深井さん、保護者代表として参加してくださった城間さん、さらには今年の初めからずっと私たち茅ヶ崎青年会議所メンバーにレクチャーをしてくださり、今回のシンポジウムにも動画を提供してくださった教育委員会の今井さん、本当にありがとうございました。

10月の事業では、今回学んだことを実践するアウトプットの機会にしたいと思います。田中ことみ委員長を中心とする地域未来開発委員会の皆様、最高の5月第一例会をありがとうございました。(それを支えてくれた岡副理事長にも大感謝!)

10月を目指して頑張っていきましょう!


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