日韓の文法の違い~漢字語+하다or이다
日本語で「~だ」という形を取る漢字語には2種類の品詞がある。
見分け方は簡単で、「~な」という形を取れれば「形容動詞」、取れなければ「名詞」である。(〇健康な vs ✕同感な)
これを韓国語に直すと、同様に「形容詞」と「名詞」に分かれる。(韓国語には「形容動詞」がなく、日本語の「形容詞」と「形容動詞」は基本的に「形容詞」になる。)
ご覧の通り、韓国語の場合は「形容詞」は「漢字語+하다」、「名詞」は「漢字語+이다」となり、どちらも「~だ」となって見分けがつかない日本語と違って、形の上からも「形容詞」か「名詞」かが一目でわかる。
この「形容動詞(形容詞)」と「名詞」の呼応関係が日本語と韓国語の間で100%一致していれば、日本語から韓国語に直す時に「形容動詞」なら「하다」、名詞なら「이다」を漢字語の後に付ければ良いのだが、残念ながらここにも「例外」が存在し、学習者を混乱に陥れることがある(少々大袈裟だが(笑))。
例えば
「熱心だ」は「熱心な」という形を取れることから「形容動詞」であることがわかる。
であれば、韓国語にする際にも「열심(熱心)」に「하다」を付けて
としたいところだが、これは間違いで、正しくは
と「이다」を付けなければならない。
つまり「熱心だ/열심이다」は日本語では「形容動詞」、韓国語では「名詞」と品詞にズレがあるのだ。
さらに問題を更にややこしくしているのが、「熱心に」と副詞にする場合は「*열심이」と「이」が付くのではなく、「하다」の副詞形である「히」が付いて「열심히」という形を取るという点だ。
まとめると
となる。
もう1つの例外が
「無限だ」は「無限な」という形を取れないので「名詞」である。
であれば、韓国語にする際にも「무한(無限)」に「이다」を付けて
としたいところだが、これは間違いで、正しくは
と「하다」を付けなければならない。
こちらは上の「熱心」とは逆に、日本語では「名詞」、韓国語では「形容詞」となるのだ。
「無限」が修飾語になる場合、「*無限な」ではなく「無限の」という形を取るので、韓国語でも「의(の)」を付けて「*무한의 우주(無限の宇宙)」としたいところだが、これも間違いで「무한한 우주」としなければならない。
まとめると
とはいえ、今のところこれ以外の「例外」には出くわしていないので、「漢字語+だ」と「漢字語+하다 or 이다」のズレに関してはさほど気にしなくてもいいのかもしれない。
僕が常々主張している「日本語と韓国語は『違い』さえ覚えればよい」論をここでも立証してくれているようでうれしい(笑)
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