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花火とアイスと幸せのメガネ①

気持ちの塞いだ数日間を過ごしていました。
些細なことが重なって少し疲れた心身のベースに、よかれと思って読み返した本をきっかけに、自分の育児にすっかり自信が持てなくなってしまいました。

読み返した本は「乳幼児期から育む自尊感情ー生きる力、乗り越える力」(近藤卓)、教員時代に手に入れた本です。

実は最近、5歳の長女が「〇〇ちゃんすぐに失敗しちゃうんだよね。だからママがやって。」と言うことが度々あり、モヤモヤしていました。言葉を尽くして励ましてみますが、自分でも冷静に頭を整理したいと思い、この本を思い出したのです。

心身のタイミングで、今回はたまたま落ち込んでしまったけれど、本来は子どもに関わる方ならどなたでもおすすめしたい、育児を始める前に読めて本当に良かった本の1つです。

最も学びになった本書のエッセンスのみ、要約してます。


そもそもの前提として、自尊感情(≠自己肯定感)は「社会的自尊感情」と「基本的自尊感情」に分かれます。
前者は、「相対的に、人より優れているという思いから高まる」もの(p.23)で、成果を上げ褒められると膨らみ、失敗して叱られるとしぼむのに対し、後者は、「成功や優劣とは無関係に、自分の良いところも悪いところもあるがままに受け入れ、自分を大切な存在として尊重するもの」(p.27)です。

風船のように膨らんだり、失敗をきっかけにパンと割れてしまう社会的自尊感情とは異なり、基本的自尊感情は、心に1枚ずつ、糊の染み込んだ和紙を重ねていくかのように、ゆっくり確実に形成されます。
確かな基本的自尊感情のベースがあれば、社会的自尊感情が揺らいでも、どん底まで行くことはなく、自力で立ち直ることができる人に育ちます。(p.34)
この基本的自尊感情は、信頼できる他者との「共有体験」を通して育まれます。道に咲くたんぽぽを見て「かわいいね」と微笑み合うこと、おもちゃで遊んで「楽しいね」と笑い合うことなどがそれにあたります。(p.50)

引用:「乳幼児期から育む自尊感情ー生きる力、乗り越える力」近藤卓



子育てを始めて5年。その都度悩み、考え、ベストを尽くしてきたつもりです。
でも、娘二人は偏食気味で(かつ、私も苦手なものを食べさせる根気がない)、日々の食事は、それぞれ違うメニューを食べることが多いし、家ではテレビに頼りきり、最近は娘が夫のスマホで知育アプリをしている時間も長くなりました。
 
私も、こうやってスマホでエッセイを書いたり、片耳イヤホンでvoicyを聞いていたり。家に娘といても、一緒になにか共有体験をするというよりは、それぞれ「個」として平和に過ごしたいという思いで、特にここ半年ほどは過ごしていました。

娘たちとの共有体験不足で、基本的自尊感情が育めていないかもしれない。それが長女の「いつも失敗しちゃうからやらない」発言につながっているのではないか。
娘たちへの罪悪感で、心にじわりと冷や汗をかいた気持ちでした。

(②へ続く)


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