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誰も教えてくれなかったおしゃれのルール(アーカイブ)大人のひと工夫

老若男女、カジュアルなTシャツ、ジーンズ、スニーカーを着用するようになりました。
またそれは以前は着てはいけなかったような場所へも着ていけるスタイルとなりました。

以前ほど堅苦しいドレスコードを要求される場面はなくなり、
どこへでもカジュアルなウエアで気後れすることなく行くことができるようになりました。

カジュアルウエアには動きやすい、快適である、どこでも手に入れることができるなど、メリットはたくさんあります。

しかし、人によってはデメリットも生まれました。

大人、それもいい年の大人の場合、若いはじけるような肉体のお隣に、
全く同じTシャツ、ジーンズ、スニーカーで並ぶと、どうしても見劣りするのです。

洗いざらしのTシャツも、色あせたダメージジーンズも若さをより一層際立たせますが、
若くない人が気を付けないままにそれを着用すると、目立ってくるのは同じような「くたびれ」加減です。

若い肉体のお隣で、同じカジュアルウエアを着て、若い人と同等に素敵に見せるのは、非常に難しいのです。

全く同じものを着てお隣に並んだら、若い人の引き立て役になってしまう可能性が高まります。

そこで必要なのは大人のひと工夫です。

わかりやすいのは、クオリティを上げる方法。
布帛のスニーカーを皮革のものに、
カットソーのボーダーシャツをコットンカシミアのニットのものに、
ダメージジーンズはやめて、きれい目のチノパンに、
こんなふうに全体のクオリティ、端的に言ってしまえば、少々お値段がはるものを取り入れれば、少しは安心して若者のお隣に並ぶことができます。

もう一つの方法は、ジュエリーやアクセサリーを付け足すこと。
簡単に言うと、輝きをプラスすること。
いい年の大人が失ったのは肌の輝きですから、それをジュエリーで補うのです。
華奢なジュエリーでは輝きが足りないので、大ぶりの指輪やバングルのほうがいいでしょう。
きらめきが、いい年の大人を、どんよりしたくすみから救います。

そして、最後にできる方法です。
それは、カジュアルな格好の人が多いところへはカジュアルな方法では行かないこと。
つまり、外すこと。
同じになったら、見劣りしますから、もう同じところへ同じ格好では出ていかない。
ここはきっと、みんなスニーカーで来るだろうなと思ったら、そこはスニーカーははかずにサンダルにする、ジーンズはやめてタイトスカートにするなど、とにかく他人とかぶらないように外しまくります。
同じ基準を持ち込まない。
つかまらないように浮遊して、違う視点から俯瞰して眺めて自分の装いを決定する。

私のお勧めは3番目。
とにかく比べないこと、競争しないこと。
比べなければ、気まずい思いをすることもありません。
競争しなければ、負けることもありません。

ひと工夫できる知恵。
それがいい年の大人である印です。
ただ漫然と選ばないで、考えてから着ていく服を選ぶ。
それだけで随分と違って見えます。

カジュアル化の波はもうとまらないでしょう。
より一層進んでいくだろうと思います。

それならばなおのこと、一工夫を忘れずに。
それがいい年の大人の貫録であり、魅力というものです。

2021・12・04






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