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いとうまいこ
2023年11月28日 01:24
かつて、千駄木には「ごはんや」という店があった。谷根千に引っ越してきた頃、30代半ばで猛烈に働いていた。若かったというのもあるけれど、映画の仕事がすごく忙しくて、器の仕事も始めたころだったと思う。すごく疲れて帰って来て、夕飯をつくる元気のないとき、「ごはんや」に滑り込む。お父さんと娘さんが調理場にいて、お母さんがフロアを担当していた。いつもやたらと疲れていたので、注文した料理はぺろっと残さず食
2020年7月18日 13:00
映画の仕事につきたくて、二年半勤めたアパレルを辞めたのは22歳のとき。とは言え、なんのツテもなく、あるのは「映画の仕事をしたい」という気持ちだけ。辞めて一ヶ月、毎日映画館に通っていた。一ヶ月が経って気づいたのは、実家における居場所のなさ。働きもせず、ただ映画を観ている、22歳のプータロー。どう考えても、どうしようもない。家族にせめられた覚えはない。今ではかなり自由に生きてはいるけれど、元来はわり