グルメ英単語#15 ー 「O」は省く O for Omit
キッチン英語辞典#1から#28 で、ざっとお料理に使う英単語や解説を見てきました。ここでは、それが使われるシチュエーションsituationに目を向けたいと思います。気軽にやってみたいと思うので、手軽に読んでいただけたら嬉しいです。
それでは、
グルメ英単語の「O」
Instructor : Now, if you omit horseradish and substitute 1 cup dry white wine for the water, you can make a Fruited Pot Roast instead of an New England Pot Roast.
Student : Do you need any additional ingredients for that?
Instructor : Yes. You need to substitute 1 cup dried apricots, half cup raisins and 1 large sliced onion for the vegetables.
講師:さて、ホースラディッシュを省いて、水の代わりにドライな白ワイン1カップを使えば、ニューイングランド・ポットローストではなく、フルーツ風味ポットローストが作れます。
生徒:他に必要な材料はありますか?
講師:あります。野菜類は、ドライ・アプリコット1カップ、レーズン半カップ、スライスした大きめの玉ねぎ一個、に置き換えてください。
と言うことで、
O for Omit Oは「省く」
です。
例えば、このプロセスは省いて良い、という場合は、スキップ skip を使います。
一方、この材料を省くと言う時には、Omitを使います。
Omit the salt in this recipe.
このレシピの塩を省いてください。
一方、
I skip the process of scumming
灰汁すくいは省略しました。(やらなかった/飛ばした)
スキップは意図的にその行為を行わない時に使うようです。
オミットは exclude または leave out などでも代用できます。
スキップにはいろいろな意味があって、幼稚園で習う、飛び跳ねるスキップもありますね。
西洋料理ではよく出てくるポットローストですが、
鍋、それもオーブンに直接入れることのできる
ダッチオーブン Dutch Oven と呼ばれる鉄鍋に、
長時間調理の必要な肩肉 shoulder chunk やスネ肉 shank/shin を、
フレーバーとなる野菜類と一緒に煮込み、
さらにそのままオーブンに入れて仕上げたもの、
とイメージすると近いと思います。
ピッタリ蓋を閉めて蒸し焼きにできるのがダッチオーブンです。
現代だったら、圧力鍋で作ると美味しいのかもしれません。
イギリスにはランカシャー・ホットポット Lancashire Hot Pot と呼ばれる、有名な料理があって、この場合は、ラムとポテトを耐熱鍋で煮込んだ料理です。これはポットローストじゃなくて、ホットポットなので、ちょっと違いますけど、参考まで。
ホットポットを鍋と訳して間違いないのですが、
日本や中国のだし汁が多い鍋料理と、
西洋の人が思い浮かべる鍋料理は、ちょっと違う気がします。
ポットロースト、もしくはホットポットで出来上がるのは、
よく煮込んだシチューのようなものです。
また、ランカシャー・ホットポットの場合は、
表面をスライスしたポテトで綺麗に覆っているので、
そのままテーブルに出してから切り分けます。
ポットローストの場合は、
調理された肉の切り身と付け合わせ野菜、
それに、ポットローストを煮込んだスープを掛け回して出すか、
またはそこからグレイビーソースを作ってそれを添える、
というサーブの仕方が多いと思います。
もちろん、おしゃれなダッチオーブンごと出すのも有りでしょう。
さて、ポットローストの名前についてる
ニューイングランドですが、
これはつまりアメリカですね。
清教徒 Pilgrims Fathers が新大陸に渡って、
まず開拓して住み着いた、東部6州(メイン、ハンプシャー、ロードアイランド、バーモント、マサチューセッツ、コネチカット)あたりを指しています。
でも、この6州に、
ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルバニア、デラウェア、メリーランドを足した地域を指す時もあるし、
ピューリタン(新教徒)が最初に到着したエリアとしてカナダの一部も入れることがあります。
また、政治的な話をするときは、コロンビア特別区(つまりワシントンDCのこと)を入れることもあるらしく、
この人の話ではこの辺まで対象にして、ニューイングランドって言ってるんだなあ、
と推測するしかありません。
さらに、さらに、
イギリス人が開拓した地域にはニューイングランドと呼ばれているところが多いので、
オーストラリアのニューイングランドのこともあります。
とても、めんどくさい。
料理の場合は、そんなエリアのことを気にする必要がないのですが、
レシピーの材料に、用意する肉として、
4-pound beef arm, blade or cross rib pot roast
すね、ブレードまたはクロス・リブのポットロースト肉4ポンド
とあります。
肉の部位の切り分け方は、各国で異なるので、説明は省略しますが、もしよければ、「キッチン英語辞典」のお肉の章も参照してみてください。
https://note.com/lindsay_journal/n/n67fbc9bc407a
注目したいのは、レシピで示した肉の種類に、
すでに「ポットロースト用」があることです。
お肉屋さんによっては、
「イングリッシュ・ロースト」または「ショルダー・ポットロースト」
などと言って、売られていることもあるようです。
また、調理に使われる
ダッチオーブンも、アメリカ英語
ヨーロッパやイギリスでは、カセロール鍋 casserole dish と呼ばれます。
ニューヨークがもともとはオランダ領で、
ニューアムステルダムと呼ばれていたのは有名ですが、
オランダから来た人も多かったのでしょうね。
それぞれが自分の出身地を背負って、
そこで習ってきたものを反映しながら新しい国を作り上げようとしていた時代。
想像すると、興味深いです。
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