見出し画像

陸上自衛隊で受けた操縦教育②

2010年12月16日
私は12名の同期生とともに初フライトの日を迎えました。
霞ヶ浦飛行場を西向きに離陸した時、突如として当時完成間近だったスカイツリーと富士山が目に飛び込んできました・・・

この時の心境がドキドキだったのか、不安感が勝っていたのか・・・、正直なところよく覚えていませんが、この光景だけは鮮明に覚えています。

さて、操縦教育の中身のはなしに戻します。
初フライトと言っても、座学で機体構造や空力を学びエンジン始動手順を覚えただけでヘリコプターの操縦ができれば誰も苦労しません。
この日、私たちの教育内容は「エンジン始動・試運転」と「飛行特性の理解」のような内容であったと思います。
初めて自身でヘリコプターのエンジンを駆け、所要の性能確認を行うのですが・・・手順をこなすことで精一杯、計器を見ても「その状態が正しいのかどうなのか、いま航空機がどういう状態なのか?」正直言ってってよくわからないという状態でした。

このようにして無事にエンジン始動を終えたのちは、教官の操縦によって飛行場の場周経路(トラフィックパターン)を飛行しながら、座学で習ったヘリコプターの操縦装置のクロスカップリング特性などを解説して頂きながら、少しだけ操縦桿を握らせてもらって体感しました。

ヘリコプターの操縦装置には下記の3つのものがあり、これらのバランスを調整(「3舵のコーディネート」なんて言ったりします。)しながら操縦することになるのですが・・・これだけは知識的な理解だけではどうしようもなく、まさに“体で覚える”領域になります。

○ コレクティブピッチレバー 
       → メインローターの迎え角の調整と燃料流量の調整をします。
○ サイクリックスティック
       →   機体姿勢の制御、方向操縦を行います。
○ ラダーペダル
       →   機体の方向制御の補助をします。

こうして、10年以上経った今も鮮明に記憶に残るほど刺激的な経験となった初フライトを終えた私たちの操縦訓練は、2011年の年明けから本格的にスタートしていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?