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イースシリーズ35周年記念作品「イースX-NORDICS-」を遊び終えて トロコンプレイレビュー【画像あり】


はじめに

いつもながらご無沙汰しております。
今回は2023年9月28日に発売されたイースシリーズ35周年記念作品である「イースX -NORDICS-」をプレイステーション5にてトロフィーコンプリートまで遊び終えた上で抱いた感想をこちらへまとめようと思います。

ゲーム自体は発売日に購入していたのですが、様々な予定や別のゲームタイトルと重なったこともあってゲームを開始するのが年明け(2024年1月)からとなり、さらにまた4月末頃まで別のゲームタイトルを遊んでいた関係で大幅に遅れてしまいました。
ゲームは1度積んでしまうと(通称積みゲー)再開または開始するのがすごく億劫になってしまうあの現象はなんでしょうね。
実際に腰を据えて始めると面白くてずっと遊ぶのに不思議です。

ということで早速振り返っていきますが、毎度お約束のお断りとして
当サイトの記事は全てゲーム宣伝や普及を目的とした記事でございません。あくまで個人で楽しみ、遊び終わった際にその時抱いていた思いを形として残すことを目的としています。
「こんなところが楽しいからおススメ!」「とにかく素晴らしくて遊ばないのがもったいない!」といった宣伝やポジティブオンリーな記事はお金をもらっているライターさんが様々なところで書かれていると思うのでそちらをご覧下さい。

なお、今回はストーリーのネタバレはなしの方向となっていますが、ゲームを遊び終えた上での感想となりますのでご覧いただく際はゲームを遊び終えるか、あらかじめご了承いただいた上での閲覧をお願いいたします。
※掲載画像が一部ネタバレとなる場合がございます。

結構細かく遊ばなければいけない内容にも関わらずプラチナトロフィーは10%超え。
ユーザーに愛されていることがわかります。

ゲームプレイ概要

  • 総ゲームプレイ時間は約65時間。

  • 遊んだハードはプレイステーション5(PS5)。

  • 達成内容はストーリークリアにトロフィーの内容全て。*マップの完全踏破や難易度ナイトメアでの2周目クリアを含みます。

  • 難易度は1周目がノーマル、2周目がナイトメア。

  • 筆者のイースシリーズプレイ歴はイースVIII(ダーナ)、IX(怪人)と浅め。

  • その他のデータなどは以下の画像参照。

総合発見率100%。各地域のコンプリート印がパスポートのスタンプみたいで粋です。
2周合計での値。戦闘不能3回は全てあの最強のグリーガー"ヴェルモーズ"によるもの。
行けるようになったタイミングであの強さはひどすぎる…
ちなみにチェイン数の最大はトロフィー関係で本来99ですがこの項目は2周目の表記のようです。
船だけは沈ませねぇ…!
2周目終了時の装備。手が込んでなくてごめんなさい。
同じく2周目終了時の装備。2周目は面倒で最強の防具諦めてごめんなさい。
そのかわり武器だけは取りに行きましたよ母さん。
レリーフライン。すごく適当です。
いや、適当だと正しいのでおざなりと言うべきか…
ここで証明したいのはレベルと最終ラインを解放しているよってことだけです。
これは2周目最終要塞の結果画面。
ナイトメアともなるとリベンジボーナスは青天井です。

遊んでいて印象に残ったポイント

35周年記念作品の名にふさわしいボリューム

この手のうたい方をする作品って大体駄作ですよね。
ですがこの作品は違います、ファルコムさんは実に信頼のおける手堅い仕事をされていますよ。

ということで、なによりも印象に残った点は全体のボリュームでしょう。
下記の画像のようにマップが画面に収まりません。
前後左右にカーソルを動かしてスクリーンショットを2枚撮っても収まらない。
それだけのマップ数があって実際に行くことができるのだから、オープンワールドの実装(イースXは非オープンワールド)やゲーム機の進化、データ量が増えたことによるゲームクオリティの向上って凄まじいなって過去のゲームを比較しても思います。
1つの作品だけでここまで遊べるという段階に来ていることに感心する今日この頃といったところでしょうか。
もちろん、それだけのキャパシティーを与えられても活かせなければ意味がないわけで、制作陣のハードワークには頭が下がります。


"じゃんけん"から"めんこ"へ変わった戦闘システム

今までのシリーズではそれぞれ有利不利のある3つの属性(刺突、斬撃、打撃でしたっけ)を用いた通称じゃんけんシステムで敵に合わせて属性(キャラクター)を変更して対応していましたが、今作ではよりシンプルに避けるかガードするかの2択から適切な方法を選ぶ赤青*戦闘(自称めんこ)へ変わりました。
*赤はガードで対応、青は避けて対応することから視覚的にそう呼んでいます。

これはシンプルで適切に対応できた際に気持ちの良いカウンター技が出せて面白い反面、戦い方を以前以上に強いる結果となりました。
ではそのカウンターをしなければ良いのでは、好きに戦えば良いと思われるでしょうが、難易度が上がると敵の攻撃力と耐久力はとんでもないものとなります。
結果、それらをしなければ圧倒的に不利となる為にせざるを得ない状況となるのが良くないと思います。(モンハンのアイスボーンのクラッチクローと同じ。)

また、二人のコンビ技の追加によって操作性が悪化したことも忘れてはいけないポイントです。
今まではR1+○×△□でスキルを放つまでは良かったのですが、今作では通常スキルに加えてコンビ技のスキルがR2+○△□で発動される為にややこしくなりがちです。
さらに、ダッシュはL1でジャンプは○です。

加えて、今作で登場した船の操作性もなかなかにクレイジー。
L1でマナセイル(加速)、○で減速、R2でバリア、R1+○×△□で設備使用。
加速しなければ素晴らしく鈍足で加速は回数制限付き。
食事会を行って船の移動速度を上げれば良いのでは?
20分に1回、いちいち食事会開くんですか?食べすぎでは…

総じて昨今のゲームではまずない非直感的なボタン配置なのは辛いところです。それだけ割り振りたいコマンドが多いということはわかるのですがもう少し手に優しい配置の仕方はなかったのかなぁ…

慣れればどうということはないでしょう。慣れればね。
ただ、慣れを前提とした不自由なシステムは優しくないと思うのが率直な感想です。


プレイアブルキャラクターが2名

アドルの冒険譚なので仕方がないところではありますが、アドルを含めて操作できるキャラクターが2名なのは少ないなぁという印象です。
それも悪く言えばアドルは毎回登場するのでスキルがワンパターンだったりします。
となると、アドルは毎回使いまわしているだけで新鮮味がないというのが率直な感想でしてこのあたりの削減は純粋に面白みがないと感じました。

※さらに掘り下げると、イースVIIIの刺突攻撃はアドルへ移植、打撃攻撃はカージャとなっただけで何も増えていなかったりします。
その視点で見るとプレイアブルキャラクターは外見だけが変わった過去作の使いまわしであるとしか思えません。

また、このキャラクターは実質2人で1人なところがあって役割が明確に分かれています。
というのも、アドルは攻撃力、カージャは破壊力特化に調整されている*のでそれぞれが単体で戦える性能に調整されていません。
*お互いのスキル構成やステータスを見ると明らかな調整がされています。

故にその点でも自由度がない為にシンプルな戦闘システムも相まって終始単調になりがちで戦闘に飽きるのが残念なところです。


船で旅ができる喜び、作りはおざなり

イースシリーズではじめて船を操作して海を旅することができた今作。
山村生まれのアドルが願った海の旅を実際に表現した素晴らしさ。
それにより圧倒的に冒険している感覚を得られたものの、船のシステム自体がおざなりでアレンジに乏しかったのが残念な印象でした。

というのも、船は強化をしていくことで最終的に戦艦となるのですが、ここまでの過程と最終形態に自由がないんですよね。
パラメータMAX!特化などはできないよ。万能だけだよ!

この手のツールはプレイヤーによって自由にカスタマイズがしたいというのが欲張りな願いだったりします。
カスタマイズといえば、外装などの見た目だけではなく、中身の性能などもMAXという形ではなくてピーキーにしたくなったりするものです。
それができず、外見も色は3種類、アタッチメントは2種類だったりと明らかにスカスカなのがどうも…これでは船に愛着も持てません。

その上で頭をよぎるのはこの船を使わなければストーリーを円滑に進めることができないという事実。
イースシリーズのトロフィー内容には恒例で難易度ナイトメアでストーリーをクリアするというものがある為、この船がある分時間がかかってしまってストレスとなってしまうのがなんとも悲しい末路だと感じました。


その他ここが気になった細かなポイント

  • 会話シーンで人物がやたら目を閉じて話すのが気になる。

  • セルセタの前だからとセルセタの話が多い。初見置いてけぼりな印象。

  • 一部BGMが完全に三国無双。

  • サシュが終始癒し。ただし生い立ちは壮絶。

  • カージャもかめばかむほど味が出る子。

  • 海戦を継続して行っていると出現ポイント(赤い円)が反応しなくなる。

  • 魚釣りポイントが近づくと「魚影じゃねーか」とカットインが入ってコマンドを受け付けない。

  • エピローグでグンナルだけ街におらず、隣マップの灯台下に。必須会話でもないので気づかない。

  • リラ(CV若山詩音)とアシュレー(CV大西亜玖璃)は普段の演技と全く声が違う。声優さんすごい…

  • ロロとリラの娘の話をもう少し掘り下げてほしい。石碑やアイテムでの小話だけでは両親が救われないよ。

サシュ
ここからカージャアルバム。表情豊かで良き。

まとめ

ここまで振り返ってきて思うのは、たしかなボリュームはあったものの終わってみればそれほど面白くはなかったという印象。

では、なぜそう感じたのかを考えてみた際に思い浮かぶのは、過去作のシステムをあまりアレンジせずに流用していることストーリーは良さそうに見えてありきたりで印象に残らないということ(しかも問題の真実は実態なきご都合)、挑戦してみた新規コンテンツのクオリティが低かったことでしょうかね。

イースシリーズを2作(VIII、IX)しか遊んでいない筆者ですらシステムは過去作でそのまま見たものが大半でしたし、ストーリーは中身がない。VIIIのストーリーは覚えていますがIXあたりからストーリーに面白さを感じなくなったことが今作でもそのまま当てはまると感じています。
経験が浅く申し訳ないのですが、過去作(セルセタなど)をもう少し遊んでいれば違った感想にもなるのかなとは思います。

ただ、そうなるのであればスターウォーズシリーズのような全体の話の中盤を最新作として今リリースするのではなく、時系列として最新のものを最新作で出してほしいというのが率直な感想です。
この中盤を遊んで、古いシステムで作られた序盤や後半の話のゲームを遊びますかと問われれば、私は遊ばないです。

仮にスターウォーズは好きですかって若いユーザーに聞いてみて下さい。
きっと名前は知っていますが見たことはありませんと答えられるのがオチです。
そういった時系列が複雑な作品についていけるのは初期ユーザーだけです。
そのあたりを理解した上で新たな作品をリリースすることができないのであればイースシリーズの未来は暗いでしょう。

私はイースVIIIが好きで今作も遊んでみましたが、はっきり言ってグラフィックや容量だけが進化した古臭い作品であるとしか言えません。

ゲームをよく遊ぶ友人10名にイースシリーズって遊んだことがある?と聞いてみると誰一人遊んだことはない、名前も知らなかったという声もありました。良い評価しかないゲームタイトルは名作であるか、マニア作品であるかのどちらかです。イースがどちらかなのは言うまでもありません。

販売店レビューでは新規ユーザーがおらず、半ば信者のような初期ユーザーあたりから常に良い評価をされるのでそんなレビューは当てにならないなぁとしみじみ感じます。

現在は海外うけが良いそうなので今後は現行イースシリーズの英語化が主体になってきそうな感じもします。
ビジネス色が強くなるとゲームは面白くなくなるのが悲しいところです。
インターグレードとかゾディアックエイジとか。
そういったタイトルの二の舞にだけはならないでほしいですね。
あのシリーズ海外向けに媚びすぎてそろそろブランド自体が終わりそう。

ただ面白いゲームを遊びたい1ユーザーとして今後のイースシリーズがどうなっていくのか、見届けたいところではあります。

ここまで読んでいただいたすべての方に感謝を。
また次回のゲームでお会いしましょう。

※以下はイースXで個人的に好きなシーンとスキル(技)です。
今後は動画もアップできるように今回より試験的に導入しています。






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