『空が灰色だから』? 4.9(火)

今日は雨が吹き付けていた。
心臓の奥の方にある小さな日陰で、枯れるためだけの芽が頭を出し始めている。


逃げるように帰る。
帰りがけに寄った購買が、珍しく大行列を成していた。
染めたての髪の集団に、露骨に胸がざわついたりする。

陽の当たるところで生きるんだよ。
傷付いた数だけ傷を付けるんだよ。

「ぼくの幻肢はあなたのところへ向かうは

濡れてゆくけど許してほしい」

初谷むい『私の嫌いな桃源郷』


 灰色の空に吹かれ泣きながら温かくて甘い物を飲もうと決めて入ったスタバで、
壁の絵とそっくりな男性が座っている。
シャツの色から禿げ方まで似ている。
オーツミルクを飲み干して、
眼鏡外すと 全然似てない。

そういえば、友人に書いた手紙
ことばじゃなくてプレゼントの贈り合いがしたかったんだと知る。

「胸の中のドラゴン」愛っぽい形で、相変わらず私を傷付けて欲しい。
おかげで、いつもより全部の店の照明が暗く感じる。

まっすぐな道で、さみしいと。思う。
ね、

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