BUNGEI-BU6|#シロクマ文芸部
変わる時が来た…のかもしれない。ついに、能戸高校文芸同好会が文芸部に昇格するかも?
「見学させてください!」
図書準備室でいつものように自称部長と会長が漫才のようなやりとりしながら執筆活動していると、いかにも新品な制服を着た多分一年生がドアを開けて入ってきた。
4月になり入学式・始業式は済んだものの、部活アピールのオリエンテーション前だというのに、早くも見学者の登場だ。
「君は小説とか書くのが好きなの?」
自称部長が尋ねる。
「まだ書いたことはないのですが書いてみたいし、本を読むのが好きだから、きっとこの部活に入ったら両方できると思って…」
「両方できるよ!さぁ、入ろう」
自称会長も声をかける。
「あ、でも、もう一つ気になるところがあって…積読部の部室はどこですか?」
自称部長と会長はドキッとした。彼らは積読部も兼部していたからだ。
「積読部の部室もここだよ。部長は… 今はいないけれど、僕たちも部員だから活動内容少しなら教えられるよ」
「兼部できるんですね。で、積読部って…何をするんですか?積読って… まさか本を積む修行をするとかじゃないんでしょうね」
「いや、そのまさかだよ」
「えっ?それが部活になるんですか?何のために?先輩方はそんなことして楽しいんですか?」
楽しいから活動しているんじゃないか!積読部の魅力を教えてやろうじゃないか!自称部長と会長は、文芸同好会ではなく積読部の活動目的や内容を熱く語って語って…語り尽くした。
「僕はまず積読部に入ることにします!たくさん教えていただきありがとうございました!失礼します」
「「あ…」」
あと1名入会したら、同好会から部に変われるチャンスだったのに…
書架の陰で文芸同好会の実質代表のカオルが『勧誘が甘いわね』とメガネを光らせていた。
※ 積読部の活動目的等はこちらに ↓↓
[約800字]
なんかしょうもないお話に。
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