【SS】棒アイドル②|#毎週ショートショートnote
「あれを読んだか?井上。」
「はい。掲載されなくて残念でしたね、博士。」
「そっちじゃない。新しいお題だ。」
新聞の『目指せ!ショートショート王』投稿コーナーの話だ。
「新聞を見せていただけますか?棒アイドル?面白そうですね。」
植物学者の木下は趣味で毎週、木下投喜知老というペンネームで、せっせと駄洒落のような記事を投稿していた。当然、ほとんど没であったが…
「なぁ、棒アイドルってなんだ?」
「それを考えるのが趣旨でしょう?博士。」
助手の井上に嗜められ、博士は「う〜む…」と悩んでしまった。
何故か暑かった夏を思い出す。そう言えば、昔オランダに出張した時見かけた光景があった。川辺で長い棒を利用して、対岸へ跳ぶ遊びがあったことを…
「フィーエルヤッペン王だな!」
「いいネタ、思いついたようですね。博士」
[374字]
博士と同じ心境です。「棒アイドルって何?」
棒状のアイドル? ん〜、他の投稿者さんたちの作品みたいに思い描けません。
ふと「そういえば…」と、長い竿だか棒だかを使って狭い幅の川(運河)をピョ〜ンと跳び越える遊び?競技を思い出しました。『運河跳び』あちらの言葉で、フィーエルヤッペンと呼ぶそうです。
この競技で活躍(失敗含む)した人は、きっと拍手喝采のアイドルと化することでしょう。
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