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「活動」を支える新たな「場」の創出 その1

令和3年12月の定例会で行った一般質問の背景や考え方について記しておこうと思います。

 自由な存在として「活動」することが人間としての条件の一つであるという言説に従えば、その前提としてある固有性や独自性などの差異性あるいは多様性を相互に認め合い、関係性を築くことから全ては始まります。人間の「活動」が営まれる「場」はそうした差異性や多様性を前提に、さらに人間の生の充実に資するものであることが期待されます。

 道路、公共施設、学校、公園・・・など様々な公共の空間が、市民の「活動」を支える「場」として機能してきました。持続可能なまちづくりを進める中で、地域社会や時代の要請と将来のニーズに応えるため、新たな役割と機能を備えた「場」を創出する必要があるのです。
 人間の生の充実に資する「場」をどのように創っていくかを考え、12月議会での一般質問に取り組みました。その1~3は背景となる考え方、その4は今後に向けての新たな視点です。

その1
ウォーカブルなまちづくり~官と民による新たな公共の「場」の創出~

2017年11月ごろの富士見通りの様子

 福生駅東口地域に広がる富士見通り周辺の飲食店街は、歴史的経緯からも、日本人だけではなく、多くの外国人が経営する商店があり、国際色豊かな都内でも特殊な地域です。多様性を包摂するこの空間は、安心安全の面で課題がある一方、新たな交流が生まれてきた「場」でもあります。

 国が進め、福生市もその推進都市となっている「ウォーカブルなまちづくり」は、「居心地がよく歩きたくなる」街中の形成を目指すものです。例えば、道路に置ける占用物を規制緩和しカフェやベンチなどを置きやすくし、民間の創意工夫により、にぎやかな道路空間を創っていこうというものです。従来の道路空間を魅力的で歩いて楽しい人中心の新たな公共の「場」へ創り変えていくための概念であり、官と民による新たな「場」の創出です。

2022年1月の富士見通りの様子 
用地買収が進み下水道工事が行われています

 さて、この「ウォーカブルなまちづくり」は、福生駅の東口地区で進められることに、大きな意味がると私は考えます。市は福生駅西口の市街地再開発に合わせて、地域全体を「ウォーカブル区域」に指定して、「居心地がよく歩きたくなる」街中の形成を進めます。そして福生駅東口周辺地域においても、「ウォーカブルなまちづくり」を進めることで、福生駅を中心に東西で広く回遊性を有する地域となります。福生駅東口の飲食店街で安全安心なまちづくりを押しすすめ、併せて「居心地がよく歩きたくなる」まちづくりを進めることで、官と民による新たな公共の「場」を形成する。東口と西口のお互いの魅力を高め合うような、バランスの取れた中心市街地の形成によって、交流人口の増加と定住化を促します。

福生駅⻄口地区地区計画 計画図

 今後も都市としての福生の社会構造について研究するとともに、地域の方々の声を聴きながら、実践活動及び議会活動を通じ、新たなまちづくりに力を尽くします。

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